J. S. バッハ

バッハ ゴルドベルク変奏曲(リコーダー・アンサンブル)

CD

 ■ J・S・バッハ作曲/ゴルドベルク変奏曲

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 ▲ セルダム・セネ(リコーダー五重奏)

 2017年録音。リコーダー五重奏編曲版。

 リコーダーという楽器の音域は2オクターブちょっとなので、ソプラニーノからコントラバスまでの楽器を駆使して鍵盤楽器の音域をカバーしています。ちなみに冊子には使用楽器のメーカーが記載されています。

 例えば2声部の変奏であっても2本の楽器では音域をカバーすることができないので、複数の楽器を使って上手く吹き分けています。(聴いている分には継ぎ接ぎ感は無い)

 リコーダーで吹くには難易度の高い変奏もあるのだけれども、それを逆手にとってアンサンブル的な楽しさも感じさせてくれます。

 「この曲をリコーダーで演奏しました」というのに留まらず(『キワモノ』になっていない)、何より、まずはバッハの音楽を感じさせてくれるところがいい。

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バッハ ブランデンブルグ協奏曲(フライブルクBOの映像)

DVD

 ■ J・S・バッハ作曲/ブランデンブルグ協奏曲(全6曲)

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 ▲ フライブルク・バロック・オーケストラ

 コンサート会場で買ったDVD。2000年、ケーテン城での収録。

 「指揮者」としてクレジットされているゴルツ氏は、コンサート・マスターとしてヴァイオリンを弾き(第6番は除く)、ソロを担当。

 いずれの曲も、コンサートと同じく、全員で積極的にアンサンブルをしている様子が伝わってくる。

 中でも特によかったのが、第3,4,5番。「アンサンブル感」が強く伝わってくる。

 ただ、奇を衒ったことをしているわけではないので、そういう演奏を期待する人には物足りないかもしれない。

 (当然ながら)第1番はナチュラル・ホルン、第4番はブロックフレーテ(リコーダー)で演奏。第5番のバロック・フルートは先日のコンサートと同じ奏者(Karl Kaiser)。

 以下は第5番の映像。

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バッハ 管弦楽組曲第2番(ミュンヒンガー)

CD

 ■ J・S・バッハ作曲/管弦楽組曲第2番

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 ▲ K・ミュンヒンガー指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団

 1985年録音。フルート独奏はW・シュルツ(@ウィーン・フィル首席)。

 かつては「バロック音楽と言えば、ミュンヒンガー、パイヤール」という時代もあったけれど、ピリオド系の演奏が主流になってしまった今、ほとんど忘れ去られているかもしれない。

 この演奏、久々に聴いてみて、確かに昨今の演奏からすればスタイルは古いかもしれない。

 しかし、ゆたっりとしたテンポ、優雅で品のある音楽にホッとして、本当に安らぎを感じる。落ち着きのある大人の音楽。

 自分の中では慣れ親しんだものだし、ひたすら楽譜を忠実に再現する、余分な『遊び』の無い、そのスタンスは聴いていて安心できる。

 シュルツのフルートもスタンスは同じ。バディネリで若干の装飾が付けられるけれども、それ以外は原則楽譜に忠実に。例えば、趣味でフルートを演奏している愛好家の『お手本』としても、申し分の無い演奏だと思う。

 バッハの4曲の管弦楽組曲を1枚に収めたお得盤。

 第2番以外の曲も同様に素晴らしく、例えば第3組曲の有名な「エア(G線上のアリア)」も古楽器の演奏では聴くことのできない豊かさ、暖かみがある。

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バッハ(レスピーギ編) プレリュードとフーガ ニ長調(シュワルツ)

CD

 ■ J・S・バッハ作曲(レスピーギ編曲)/プレリュードとフーガ ニ長調

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 ▲ G・シュワルツ指揮/シアトル交響楽団

 1990年録音。オルガン作品(BWV532)のオーケストラ編曲版。

 レスピーギのバッハ編曲だと原曲の知名度によるのか、ハ短調の「パッサカリア」が有名だけれども、こちらもとても面白い。

 3管のオーケストラに4手のピアノが加わった編成。ピアノは独立して旋律を演奏したり、時にはサン・サーンスの「オルガン交響曲」のような雰囲気も出している。

 まずは前奏曲。華やかなトッカータ風音楽に続く後半部の "Alla breve" は何の違和感もなく、あたかもオリジナルのように響く。

 フーガは何の曇りもないニ長調。

 「♪ドレミレ・ドレミレ・ドレミレ・ド・・・」

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 終結部の晴れやかで開放的なサウンドが気持ちいい。

 録音はこのシュワルツ盤しか知らないけれども、カップリングの「パッサカリア」共々、意外に落ち着いた雰囲気を持った演奏で、十分に楽しめる。

 バッハ作品のオーケストラ編曲版を集めたアルバムで収録曲は以下の通り。

  パッサカリアとフーガハ短調(BWV 582)
  3つのコラール・プレリュード
  幻想曲とフーガ ハ短調(BWV 537)
  ヴァイオリンソナタ ホ短調(BWV 1023)
  プレリュードとフーガ ニ長調(BWV 532)

 「幻想曲とフーガ」はエルガー編曲。それ以外はレスピーギ編曲。


 【ハリス編曲版】

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 ▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団

 1971年録音。フーガのみのオーケストラ編曲版。

 変に凝ることが無いストレートな編曲で、明るく華やかなオーケストラ・サウンドが楽しめます。

 オーマンディやハリスなどの編曲によるバッハ作品を集めたアルバム(国内盤)。

 冊子に掲載されている「なぜ指揮者になったか?-指揮者の仕事-」というオーマンディによる文章が滅法面白い。

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バッハ ブランデンブルグ協奏曲第4番(パイヤール)

CD

 ■ J・S・バッハ作曲/ブランデンブルグ協奏曲第4番

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 ▲ パイヤール指揮/パイヤール室内管弦楽団

 1973年録音。

 ランパル、ラリューの2大巨頭による、明るく豪華で華やかな演奏。何の文句があろうか。

 昨今は古楽器系の演奏が主流になり、そこではリコーダーで演奏されるけれども、やっぱりフルートによる演奏はいい。

 個人的にはフルート版はこれ1枚あればOK。

 M・アンドレ、P・ピエルロなど、フランスの往年の名手たちをそろえた、パイヤールの「ブランデンブルグ協奏曲」。懐かしの名録音。

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J・S・バッハ 4台のピアノのための協奏曲(クーベリック他のリハーサル風景)

DVD

 ■ J・S・バッハ作曲/4台のピアノのための協奏曲

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 1972年、リハーサル風景の録画。

 曲はヴィヴァルディ作曲の「4台のヴァイオリンのための協奏曲」(作品3-10)を、バッハがピアノ4台に編曲したもの。

 ピアノを担当するのは、当時ミュンヘンで活動していた4人の指揮者。

  R・クーベリック(バイエルン放送響)1914年生
  R・ケンペ(ミュンヘン・フィル)1910年生
  W・サヴァリッシュ(バイエルン国立歌劇場)1923年生
  F・リーガー(元ミュンヘン・フィル)1910年生

 リーガー氏はケンペの前のミュンヘン・フィル首席指揮者だそうです。

 オーケストラを指揮するのはクーベリックで、彼が全体のまとめ役であるのだけれども、他のメンバーも色々と自分の意見を出しつつ、曲を作っていく。

 サヴァリッシュは最年少だけれども、ピアニストとして活動していることもあってか、色々と細かい注文を出し、また、諸先輩には負けないぞと言う意気込みを感じる。

 ちなみに、サヴァリッシュだけスーツにネクタイでピシッと決めています。

 ケンペは寡黙で(リハーサル前も黙々と一人でさらっている)、隣で弾いているサヴァリッシュに対して「ここなんだけどさぁ...」といった感じで注文を出す。

 4人共に自身が指揮台に立てば、思うがままに全てを仕切る絶対的立場。

 そういう4人が集まって、特定の一人の意見に服従するのではなく、皆が自分の意見を出しながらも着地点を見つけつつ音楽を作っていく様が、とても面白い。

 リハーサルの終了後、4人で談笑する様子も見られて、言っても気心が知れた仲間なんだなという雰囲気です。

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 クーベリック(奥)とリーガー(手前)。

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 ケンペ(奥)とサヴァリッシュ(手前)。

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 2人でスコアの確認中。

 メインはバレンボイムが共演したブラームス作曲の「ピアノ協奏曲第2番」と、ドヴォルザーク作曲の「交響曲第7番」という、とても贅沢な内容のDVD。

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バッハ(エルガー編曲) 幻想曲とフーガ ハ短調

CD

 ■ J・S・バッハ作曲(エルガー編曲)/幻想曲とフーガハ短調

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 ▲ G・シュワルツ指揮/シアトル交響楽団

 1990年録音。オルガン曲(BWV537)の管弦楽編曲。

 前半の「幻想曲」もエルガーらしいオーケストレーションで、味付けにハープが使われる(ストコフスキーみたい)。ちなみに原曲の4分の6拍子をエルガーは4分の3拍子に変更。

 ただ、ここまでは『想定内』。

 後半のフーガも最初は真っ当に進行するけれども、途中から装飾が加わり、打楽器(小太鼓、大太鼓、シンバルにタンバリンまで)も入りエルガー色が強くなり、エンディングは完全にエルガー作品としてデフォルメされる。

 バッハの譜面を『そのまま』オーケストレーションするなら、誰でもできる。ここまでやってこそ、エルガーが編曲した価値があるというものだ。

 原曲のオルガン曲の冒頭(4分の6拍子)。

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 メロディはオーボエとクラリネットが担当(4分の3拍子)。

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 バックではティンパニと大太鼓がリズムを刻む。

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 フーガの途中ではトランペットがこんな難しいパッセージを。

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 もちろん原曲(↓)にはありません。

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