ドビュッシー

ドビュッシー(ビュッセル編) 小組曲

CD

 ■ C・ドビュッシー作曲(A・ビュッセル編曲)/小組曲

  1.小舟にて
  2.行列
  3.メヌエット
  4.バレエ

 原曲はピアノ連弾曲。「1」はフルート独奏曲としてもよく演奏されます。

 編曲者のビュッセルはフランスの作曲家。同じくドビュッシーの交響組曲「春」のオーケストレーションも行っています。

 

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 ▲ J・マルティノン指揮/フランス国立放送管弦楽団

 1973年録音。びっしりと密度のある、こってりとした濃厚な音楽。この曲にしては重過ぎるように感じ、胃にもたれる。


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 ▲ J・パイヤール指揮/パイヤール室内管弦楽団

 1968年録音。パイヤールとしては珍しいバロック以外の(しかも近代音楽の)録音。

 こちらはスッキリと。テンポも速め。「小舟にて」や「メヌエット」はともかく、全体的に、あまりに薄味でカロリー不足。

 
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 ▲ P・パレー指揮/デトロイト交響楽団

 1959年録音。輪郭がくっきりとしたサウンド。クリアなリズムが気持ちいい。アッサリ目の演奏は、情感という点ではちょっと物足りないかも。


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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1961年録音。LP時代から聴いていた録音。やっぱり、これが一番。

 べたつかない透明感のあるサウンドの中に漂う情感、品のよさ。「小舟にて」の繊細さ。「行列」「バレエ」の華やかさ。

 「バレエ」再現部前のハープにはヴィブラフォンを重ねているのか、素晴らしい効果を出している。


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 ▲ Y・テミルカーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1976年ライブ録音。まさか、こんな録音が残っているとは...。

 止まりそうになるくらいの、ゆったりとしたテンポ。ネットリと濃厚な雰囲気の「小舟にて」。

 一転して「行列」では速いテンポがせせこましく落ち着きがない。

 「メヌエット」では再び「小舟にて」の雰囲気が戻ってきて、やはりこの2曲がいい。

 「バレエ」も速いテンポだけれど悪くはない。中間部では、やっぱり大きくテンポを落とすけれど、コーダは駆け足で最後は一気になだれ込むようにして終る。

 『珍品』とはいえ、意外に聴かせてくれる。

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ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲(プレートルの映像)

DVD

 ■ C・ドビュッシー作曲/牧神の午後への前奏曲

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 ▲ G・プレートル指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団

 1998年の録画。今年亡くなられたプレートル氏のリハーサル風景とコンサート本番。

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 最初はフルート奏者への個人レッスンから始まる。

 続く全体リハでは「重くならないで」ということを何度も繰り返す。

 口頭での説明は最小限に、あくまで感覚的に、そして、とても細かくニュアンスを詰めていく(最初のフルートについても)。

 プレートルさん、70歳を過ぎているのだけれども、とても若々しい。

 情感と雰囲気がたっぷりの素晴らしいドビュッシー。

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ドビュッシー バレエ音楽「おもちゃ箱」

CD

 ■ C・ドビュッシー作曲/バレエ音楽「おもちゃ箱」

 子供のために書かれたバレエ音楽。

 原曲はピアノ曲で、スコアの解説によると最初の93小節はドビュッシー自身がオーケストレーションを完成。残りを、作曲者自身のスケッチに基づいてカプレがオーケストレーション。

 楽器編成であるとか、ピアノの使用方法であるとか、基本路線はドビュッシーのオーケストレーションの部分ではっきりとしているように感じる。

 深刻さやドラマチックな展開などは無い、全編可愛らしく、また繊細で、(人間の)バレエと言うよりも人形劇のような雰囲気を持った音楽。

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 ▲ K・ナガノ指揮/リヨン国立歌劇場管弦楽団

 1992年録音。

 「おもちゃ箱」というタイトルう通りに、次から次へと変わる場面を、活き活きと、丁寧に描き分けていて、最後まで全く飽きることが無く聴かせてくれる。イチ推し。


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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1957年録音。これもいいです。特に第4場の明るく元気なトランペットが◎。


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 ▲ C・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団

 1992年録音。

 オケは上手いしサウンドもいいのだけれども、ただ譜面の表面を流していっただけに感じられる演奏。こうなると、元々派手な曲ではないので、平板で退屈してしまう。


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 ▲ S・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 2004年録音。

 室内楽、アンサンブル的な演奏。ソロはもちろん上手い。でも、バレエ音楽的な楽しさは少ない。


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 ▲ J・マルティノン指揮/フランス国立放送管弦楽団

 1974年録音。

 豪華で華やかな、大舞台でのバレエを観ているような印象の演奏。オケの音も◎。

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