ラヴェル

ラヴェル 子供と魔法(グライドボーンの映像)

music BD

 ■ M・ラヴェル作曲/オペラ「子供と魔法」

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 ▲ 大野和士指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

 2012年、グラドボーン歌劇場でのライブ録画。ロラン・ペリ演出。

 いわゆる『オーケストラの魔術師』、ラヴェルがあの手この手を駆使して、さまざまな情景を描いている。ラヴェルの最高傑作と言ってもいいオペラ。

 「フォックストロット」での(「ボレロ」ばりの)トロンボーンのハイトーンのソロ。

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 その場面でのティー・カップの女性などは、子供が見るとうなされそうだ。

 王女の歌の伴奏は1本のフルートのみ。続く、王女への切ない想いを歌う甘美な音楽は、『作りモノ』を超えて真に迫るものを感じる。

 音楽だけでも十分楽しめるけれども、これに映像が付けばなお楽しい。

 次から次へと登場する濃いキャラを持った登場人物。奇妙な、しかしファンタジーに溢れた世界。

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ラヴェル マ・メール・ロワ(スクロヴァチェフスキ)

music CD

 ■ M・ラヴェル作曲/バレエ音楽「マ・メール・ロワ」

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 ▲ S・スクロヴァチェフスキ指揮/ミネソタ管弦楽団

 原曲は子どものために書かれた、ピアノ連弾のための5曲から成る組曲。

 オーケストラ版には、原曲をそのままオーケストレーションした「コンサート版」と、後にバレエ用に転用したときに新しいナンバーや序奏、間奏曲を加えた「バレエ版」があります。

 演奏時間は、前者が十数分、後者が約30分。

 「バレエ版」で新しく追加された部分は、オーケストレーションが非常に良く書けていて、演奏する側からすると相当に魅力的だと思う。

 しかし、原曲の持つシンプルさが失われてしまっているのも事実で、好みは分かれると思われ、私は以前は「コンサート版」派でしたが、最近は「バレエ版」派に傾きつつあります。

 録音としては、「コンサート版」はミュンシュ、プラッソン、ジョルダンなど、「バレエ版」はブーレーズ、デュトワ、ラトル、マルティノン、クリュイタンスなど...これだけを見ると「バレエ版」優位。

 ちなみにアンセルメは「コンサート版」の最初に「バレエ版」の導入部分を追加した折衷派。

 で、この演奏。ゆっくり目のテンポで楽譜を丁寧に音にしていく。あいまいに流す所がない。

 そして、木管奏者が皆上手い。「アメリカのオケ」などとバカにはできない。サウンドは硬質(ベタベタしていない)ですが、冷たさはありません。

 足りないものをあえて探せばフランス音楽特有の「色彩感」「臭い」だろうか。

 しかし、逆に言えば、それだけの演奏ではありません。このラヴェル、超注目です。

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ラヴェル マ・メール・ロワ(チェリビダッケの映像)

music DVD

 ■ M・ラヴェル作曲/組曲「マ・メール・ロワ」

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 ▲ C・チェリビダッケ指揮/スイス・イタリア語放送管弦楽団

 1975年6月1日の録画。

 ラジオ放送用の録音を収録したものだそうで、指揮者も奏者もカジュアルな服装。

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 お客さんは入っているけれども、会場(スタジオ?)はあまり広くはなくて、オケの人数も少ない。

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 音(録音)もあまりよくはなくて、細かいニュアンスや、ダイナミックの効果などは捉え切れていないと思うのだけれども、チェリの指揮姿からは、一切容赦しない、精緻な音楽作りを『観る』ことが出来る。

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ラヴェル ボレロ(シェルヘン)

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 ■ M・ラヴェル作曲/ボレロ

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 ▲ H・シェルヘン指揮/ウィーン国立歌劇場管弦楽団

 1957年録音。『迷演』として有名な録音。

 とにかく、私がかつて聴いた「ボレロ」の中で最も『ヘンな』演奏がこれ。

 この手の話になると話題に上るのがマゼール指揮/VPO盤(BMG)かもしれないけれど、あくまでアイデアというか仕掛けであって、面白いかもしれないが(かといって繰り返し聴きたいとは思わないが)決して『ヘン』ではない。

 このシェルヘン盤の最大の功労者(?)は小太鼓奏者ではなかろうか。

 と言うのも...

 ① 響き線をはずしている...そのため「とんとこ、とんとこ」和太鼓のような音がする。
 ② 妙な「決め」を入れる...指揮者の指示か奏者のアドリブかは不明。
 ③ トロンボーンのソロのバックで一瞬音が途切れる...これは奏者の技術的問題か。
 ④ 途中から2台になったときに2人が全然合ってない...これも技術的な問題、あるいは人間関係か。
 ⑤ 最後の数小節前で一人だけ突然響き線を入れる(音が変わる)...これは意味不明。
 ⑥ 最後の音、別な所を「カシッ!」と叩いてリムショットになっている...興奮した?

 ソリストなのだが基本的に第2の主題(ファゴット、サキソフォン)の演奏がみんなオカシイ。リズムもふらふらしているし、音色もヘンだ。「下手」というのとは違う、とにかく『ヘン』なのだ。

 唯一まともなのが(なぜか)トロンボーンであるが、しかし問題はリズムの小太鼓で、ここまでくると相当に音量を増しているために、刻まれるリズムはほとんど「盆踊り」、あるいは「ロンド・イン・バーレスク」(by 伊福部昭)状態。しかも、フレーズ毎に「(クレッシェンドしながら)トコト・トコト・トンッ!!」と妙な「決め」を入れてくる。結果ソロとの息が合わなくなり、何と一瞬音が消えてしまうのだ。少しして思い直したように叩き出す(上述)。

 初心者には絶対オススメできない、上級者向け。とにかくヘンです、この演奏。

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ラヴェル 「ダフニスとクロエ」第2組曲(アンセルメ)

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 ■ M・ラヴェル作曲/「ダフニスとクロエ」第2組曲

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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1960年録音。コーラスは無し。

 「夜明け」に関しては、まず最高の演奏ではなかろうか。

 密かに囁くような木管楽器の動きにチェレスタの音が重なり、やがて低音(バッソン)にテーマが現れる...ここまでで『決まり』。

 鳥の囀りと共に空は明るみ、音楽は頂点へ向かってゆく。

 単なる自然現象を描写したものではない、そこにいる主人公のドラマなのだ(ブリテン作曲のオペラ「ピーター・グライムズ」の「夜明け」のように)。

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