グリーグ

グリーグ 交響曲ハ短調(ラシライネン)

CD

 ■ E・グリーグ作曲/交響曲ハ短調

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 ▲ A・ラシライネン指揮/ノルウエー放送管弦楽団

 2000年録音。

 グリーグ若書きの交響曲。オーソドックスな4楽章形式、演奏時間30分。

 民族色は薄いけれども、中間の2楽章、穏やかな第2楽章、3拍子舞曲風の第3楽章は意外に楽しめる。

 ただ、作曲者自身は「ドイツ音楽の影響が強い」として、「決して演奏してはならない」と引っ込めてしまったらしい。

 その楽譜を引っ張り出して蘇演したのが1981年で、結構最近の話。

 もちろん、演奏する価値がある音楽であるとの考えからだろうけれども、作曲者自身が「決して演奏するな」と言っているものを公にするのというのは、グリーグもあの世で「やめてぇ~(恥)」と叫んでいるような気もするのだけれど...。

 N・ヤルヴィ盤などもあれど、これはノルウェーの指揮者とオケによる『本場物』。手堅い演奏を聴かせてくれています。

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グリーグ ペール・ギュント

CD

 ■ E・グリーグ作曲/劇付随音楽「ペール・ギュント」

 【全曲盤】

 劇付随音楽の全曲盤。

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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団

 1987年録音。

 何と言っても、この劇のためにグリーグが書いた26曲の音楽がすべて収録されている点で存在価値は大きい。ちなみにブロムシュテット盤は『全曲』ではありません。

 歌はもちろん、曲の途中に挟まる台詞も入っていて、また「オーゼの死」は2回繰り返され、1回目はオーケストラだけ、2回目にはペールとオーゼ(@母)の会話が入る。

 この「オーゼの死」に続いて、有名な「朝」が演奏されるのだけれども、そうすると組曲の最初に演奏されるのとは全く違ったニュアンスを持って聴こえるのだ。

 約80分。一気に聴き通してしまう魅力があり、この全曲盤を聴いてしまうと、組曲版は全く物足りなくなってしまう。

 オーケストラだけで演奏するとなると、組曲版のあの選曲はやむを得ない(妥当な)ものかもしれないけれども、全曲版あっての組曲版。

 聴いて損は無いです。抜粋盤も多々あれど、この『全曲盤』は聴くべし。

 かなり長い台詞(ノルウェー語?)の部分があるのだけれども、残念ながら対訳が付いていなくて、これだけがマイナス。

 また、追加された「花嫁の行列の通過」(ハルヴォルセン編曲)は収録されていません。


 【抜粋盤】

 劇付随音楽からの抜粋盤。

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 ▲ J・バルビローリ指揮/ハルレ管弦楽団

 1968年録音。LP時代からの愛聴盤。歌、コーラス入り。

 組曲に含まれる8曲に、「前奏曲」「ノルウェーの花嫁の行列」「山の魔王の娘の踊り」「ソルベーグの子守唄」を加えた計12曲を、オリジナルの劇音楽の順に配置。

 『ハイライト版』として選曲もいいし、バルビローリ流の暖かい情感が感じられる演奏。

 「嵐」の音楽などはドタバタと野暮ったい感じもするけれど、やっぱり魅力的な演奏。


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 ▲ J・テイト指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 1990年録音。歌はもちろん台詞も入った17曲の抜粋版。選曲はブロムシュテット盤とは若干異なります。

 テイトは各曲を上手く描き分けていて、ドラマ(舞台)の雰囲気を強く感じさせてくれる。

 例えば、有名な「山の魔王の宮殿にて」の最後の部分には台詞が入り、組曲版では味わうことのできない面白さがある。

 遅めのテンポで抑えられた表情の「ソルヴェーグの歌」もいいし、最後の「子守唄」ではオリジナル通りに合唱(讃美歌)も加わって、素晴らしい幕切れになる。

 オーケストラはさすがに安定感があり、力強く、特にティンパニが要所要所で存在感を出して曲を締めている。

 これはとてもいいです。


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 ▲ E・サロネン指揮/オスロ・フィルハーモニー管弦楽団

 1987年録音。

 抜粋版。合唱とソプラノ入り。ソルベーグとアニトラは同じ歌手(B・ヘンドリクス)。

 ハルヴォルセン編曲の「婚礼の行列」を加え、「ソルベーグの歌」はオリジナル版(歌)とオケだけによる組曲版の2種類を収録。

 この「ソルベーグの歌」、組曲版では新たにオーケストレーションし直されているので、違いは単なる歌の有無ではないのだ。

 「ペールギュントの帰郷」から無伴奏の「ソルベーグの歌」、教会へ向かう人々が歌う「讃美歌」、そして最後は「ソルベーグの子守唄」で結ぶ(「…子守唄」にコラースは入らない)。

 「山の魔王の宮殿にて」でホルンのストップ音を強調したり、続く「…娘の踊り」での小太鼓のリム・ショットやシロフォンなどのモダンな響き。

 「オーゼの死」「ソルベーグの歌」のようなナンバーも、弦楽器の美しいサウンドと共に、じっくりと聴かせてくれる。

 単に曲を抜き出して繋いだというだけでなく、『ハイライト版』として全体の構成がとてもよくまとまっているCD。


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 ▲ H・ブロムシュテット指揮/サン・フランシスコ交響楽団

 1988年録音。世評の高い録音ではあれど...

 スッキリとまとめられている演奏で、歌だけではなく台詞も入っているけれども、残念ながら『抜粋版』。つまり何曲かカットされていて、N・ヤルヴィ(父)のような『全曲版』ではありません。

 押し付けがましくなく、また、過不足のない『中庸』の音楽は聴きやすいけれども、それ故にか『全曲版』でない物足りなさを感じてしまう。

 ただ、CD1枚に収まっているので、オリジナル版の雰囲気を手軽に味わいたいというニーズには向いているかも。


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 ▲ P・ヤルヴィ指揮/エストニア国立交響楽団

 2004年録音。歌(3人)、コーラス入りで、曲中に台詞が加わる曲を除いて、全26曲から20曲を抜粋して演奏。トータルで約60分。

 オーケストラの柔らかい、角の取れた鄙びたサウンドがとてもいい。

 短いナンバーもあるので、そうそう長い感じはしないし、組曲だけ聴くよりも、より民族的な雰囲気を味わえる。

 「山の魔王の宮殿にて」「アラビアの踊り」にはコーラスが加わるので、組曲とはまた違った雰囲気。特に「アラビア…」は歌入りのほうがいい。

 丁寧にまとめているし、演奏される機会の少ない珍しいナンバーが含まれているのも嬉しいけれど、あくまで『抜粋版』という印象。

 曲をカットした理由が「ナレーター(役者)がいない」という理由だけのようにも感じられ、どうしても中途半端な印象を受けてしまう。

 たとえ曲数が少なくなっても、割り切って「ハイライト版」として再構成してくれた方が嬉しい(サロネンのように)。


 【組曲盤】

 作曲者自身による2つの組曲。声楽が入る曲はオーケストラのみで演奏するように編曲されています。

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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ロシア国立交響楽団

 1981年のライブ録音。これは2つの組曲を続けて聴くべき演奏。

 しかし、これほど深い情感を持った「ペール・ギュント」は他に聴いたことがない。

 「朝」の最後、長く引き伸ばされた和音から入る「オーゼの死」の演奏時間は7分を超える。「ソルベーグの歌」は、長調に転調した部分との対比が素晴らしい。「イングリッドの嘆き」のティンパニ。

 北欧的な爽やかさとは全く別の世界。聴いた後に、ずっしりとした重いものが心に残る。


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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ放送交響楽団

 1967年録音。素晴らしい演奏。

 ロジェストヴェンスキーは見事にオーケストラをコントロールして深い情感を引き出している。特に弦楽器がメインの曲。中でも「オーゼの死」は絶品。

 テンポの速い曲では持ち前のリズム感の良さが発揮されていて、活き活きと、またドラマチックに聴かせてくれる。


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 ▲ P・ベルグルンド指揮/ボーンマス交響楽団

 1973年録音。

 まず「朝」での独特の節回しに惹きつけられる。

 ベルグルンドの名が知られるようになったのはシベリウス録音だと思うけれども、このグリーグも素晴らしく、単なる『通俗名曲』とは一線を画する演奏。

 過度に劇的になることはなく、終始、優しく暖かなサウンド。安心して音楽の中に入ることが出来る。


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 ▲ H・ブロムシュテット指揮/サンフランシスコ交響楽団

 1988年録音。

 スッキリとした味わい中に、情感や迫力もあり、申し分のない演奏。何より2つの組曲(8曲)を1つの作品としてまとめ上げている構成感が素晴らしい。

 ただ、個人的な好みとして、「朝」のフルートは情緒過多のような...。

 カップリングはニールセン作曲の「アラジン」組曲と「仮面舞踏会」序曲。


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 ▲ H・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 1971年録音。

 当時の首席奏者、J・ゴールウェイが吹く「朝」の素晴らしいフルートを聴く録音。

 カップリングはシベリウス作品。

 カラヤンは後に再録音しているので、ゴールウェイ目当ての方は要注意。

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 こちらが1982年録音盤。カップリングはシベリウス作曲の「ペレアスとメリザンド」。


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 ▲ A・ラシライネン指揮/ノルウェー放送管弦楽団

 2つの組曲(8曲)を曲順に収録。

 『地味』と言えばその通りかもしれないけれど...

 独特のイントネーションを見せる「朝」は、太陽がまぶしい輝かしい朝ではなく、霧がかかったような、寒々とした曇り空が思い浮かぶ。

 「オーゼの死」もあくまで静かに、感情を露わにすることはない。

 いわゆる『通俗名曲』としての楽しさ、華やかさは無く、抑制された、ほの暗い色調で終始する、独特の雰囲気を持った演奏。


 【組曲抜粋盤】

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 ▲ H・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 1961年録音。

 第1組曲の4曲と「イングリッドの嘆き」「ソルベーグの歌」、計6曲を収録。

 第2組曲の2曲が欠けているけれども、カラヤン指揮の「ペール・ギュント」ではこれが一番好き。

 元々、弦楽器が主体の曲が並んでいて、こうなるとウィーン・フィルのもの。さりげなく吹いている「朝」のフルートの何と清々しいことか。


 【組曲+α盤】

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 ▲ O・フィエルスタート指揮/ロンドン交響楽団

 1958年録音。

 フィエルスタートはノルウェーの指揮者(1983年没)。

 響きは軽めだけれども、明るいサウンドでメリハリのある音楽を聴かせてくれる。情感も十分。

 2つの組曲の最初に「前奏曲」、最後に「山の魔王の娘の踊り」を配置した10曲。歌は入っていません。

 「前奏曲」は華やかに始まり、途中「ソルベーグの歌」も現れたりと変化に富んだ面白い曲で、この曲に続いて「朝」が演奏されると、組曲版とはまた違った趣がある。

 でも、最後にこの曲(「…娘の踊り」)はどうなのか...「ソルベーグの歌」で余韻を持って締めた方が、とも思えるけれども、華やかな雰囲気の曲が少ないだけに、(あくまで演奏会用の組曲として)最初に加えた「前奏曲」とのバランスが取れているように感じる。

 カップリングは「ピアノ協奏曲」(ピアノ:C・カーゾン)。


 【バレエ映像盤DVD】

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 ▲ L・ペシェク指揮/スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団

 コンサートではなく、スロヴェニア国立劇場バレエによる映像。

 テレビ放送用の収録なのか、最初に曲紹介とバレエのあらすじの説明付。

 2つの組曲を曲順を入れ替えて演奏して、ストーリーを追っていく。

 画質、音質も悪く、「朝」ではフルートやオーボエ奏者がバレエの舞台上で立って楽器を吹くというシュールな演出もあり(「ペールの帰郷(嵐)」では金管が同じことをする)、相当に微妙な内容。

 ペシェクの指揮姿も少しだけ映っています。その手の愛好家向け。

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グリーグ 抒情組曲

CD

 ■ E・グリーグ作曲/抒情組曲

 ピアノのための「抒情小曲集」からの管弦楽編曲作品。

 

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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団

 以下の5曲を収録。

  1.羊飼いの少年 G
  2.鐘の音 S
  3.ノルウェー農民の行進 S/G
  4.夜想曲 S/G
  5.小人の行進 S/G

 オーケストレーション(編曲)の経緯として、まずハンガリーの指揮者、アントン・ザイドルが「2」~「5」の4曲を編曲。後にグリーグが「3」~「5」を改訂。さらに「2」を削除して「1」を新たに編曲して追加。

 なので「2」を除いた4曲(太字の曲)がグリーグ自身による「抒情組曲」となり、ほとんどの録音がこの4曲によります。

 ちなみに、グリーグの『改訂』は、ほぼ全面的に書き直したもので、実質的には『グリーグ編曲』と言えるものだそうです。

 このヤルヴィ盤は削除された「2」を復元した5曲版。で、この手の曲を楽しく聴かせてくれるのがヤルヴィ(父)。

 「1」や「4」の情感。金管を一杯に鳴らした「3」の力強さ。

 「5」などは、有名な「ペール・ギュント」にも引けを取らないような親しみやすさ、魅力のある音楽。


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 ▲ A・ラシライネン指揮/ノルウェー放送管弦楽団

 一般的な4曲を収録。

  1.羊飼いの少年
  2.ノルウェー農民の行進曲
  3.夜想曲
  4.小人の行進

 グリーグのオーケストラ作品では「ペール・ギュント」がずば抜けて有名なのだけれども、彼の音楽の魅力をより強く感じられるのが、この曲だと思う。

 特に「1」と「3」のハーモニーの美しさ。ディーリアスやグレインジャーが影響を受けているのがハッキリと分かる。

 4のおとぎ話の様なファンタジーもいい。

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 ラシライネン(上写真)はフィンランド生まれの指揮者。知名度は低いけれども、曲の素晴らしさをストレートに感じさせてくれる演奏。

 様々な演奏家によるグリーグ作品集(2枚組)。他には「ペールギュント」組曲がラシライネンの指揮。


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 ▲ J・バルビローリ指揮/ハルレ管弦楽団

 1969年録音。通常の4曲を収録。

 思いっきり気持ちの込められた「羊飼いの少年」と「夜想曲」。「ノルウエー農民の行進曲」ののどかな雰囲気もいい。

 「『抒情』組曲」というタイトルに相応しい演奏。


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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ放送交響楽団

 1967年録音。

 1曲目の「羊飼いの少年」はパワフルな弦楽器でドラマチックに盛り上げる。「ノルウェー農民の行進」での金管楽器の強奏。「夜想曲」後半、弦楽器のユニゾンが主題を奏するバックにホルンが響くと完全にチャイコフスキーの世界。「小人の行進」も元気いっぱい。

 グリーグとしては違和感があるかもしれないけれども、割り切ってしまえば楽しく聴ける。


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 ▲ O・スウィトナー指揮/ベルリン国立歌劇場管弦楽団

 1976年録音。「夜想曲」「小人の行進」の2曲のみ。

 オケのサウンドは素晴らしい(特に弦)けれど、やっぱり2曲だけというのは物足りない。

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グリーグ 十字軍の兵士シグール

CD

 ■ E・グリーグ作曲/「十字軍の兵士シグール」から

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 ▲ E・サロネン指揮/スウェーデン放送交響楽団

 1990年録音。

 戯曲に付けた音楽から、以下の3曲の抜粋。

  1.前奏曲「王宮にて」
  2.間奏曲「ボルグヒルの夢」
  3.忠誠行進曲

 最初の2曲はそれほど面白くはなくて、聴き物は最後の「忠誠行進曲」。

 かつては吹奏楽で演奏される機会も多かった曲で、調性も変ロ長調なので移調せずとも演奏しやすい。

 演奏時間は10分近く。ABAの3部形式。曲名は「行進曲」だけれども、抒情的な雰囲気が濃い音楽。

 金管楽器のファンファーレに続いてチェロの四重奏で奏されるテーマは気品があり、高貴な雰囲気もある素晴らしいメロディ。

 それに比べると、最初の2曲は演奏時間も短く、単独で演奏されるようなものでもなく、3曲合わせて「組曲」とするにはアンバランスな印象もある。

 ちなみに、スコアには「『十字軍…』から3つのオーケストラ曲」と書かれています。

 演奏によっては冗長に感じられることもあるのだけれども、サロネンはスッキリと過不足なくまとめていて、だれることが無い。透明感のあるオケのサウンドもいい。


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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ロシア国立管弦楽団

 1981年録音。

 「忠誠行進曲」ではスヴェトラーノフの本領発揮。金管楽器を思い切りよく鳴らした華やかな導入から、密やかなチェロの四重奏へ。

 驚くべきは、このメロディがトゥッティで演奏される "Maestoso" の部分のスロー・テンポ。単に遅いだけではなくて、しっかりとコントロールされて、巨大なスケール感は聴きもの。

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グリーグ 古いノルウエーのロマンスと変奏(N・ヤルヴィ)

 CD

 ■ E・グリーグ作曲/古いノルウエーのロマンスと変奏

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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団

 1988年録音。

 ピアノ連弾曲を作曲者自身がオーケストレーションした作品。

 無名な曲ではあるけれども、「ノルウェー舞曲」などにも通じる民族的な雰囲気を持ったグリーグらしさのある音楽で、意外に楽しめる。

 短い導入に続いて、テーマが弦楽器で奏される。

 4分の4拍子の8小節の後に、8分の6拍子のフレーズが2小節。ノルウェー民謡なのか。素朴で暖かく、とてもいい雰囲気。

 その後に13の変奏とフィナーレが続く。演奏時間20分ちょっと。

 抒情的な音楽あり、快活な舞曲風あり、最後はテーマが金管楽器で堂々と演奏されて、ハープを伴ったコーダで静かに閉じる。

 このヤルヴィ(父)の演奏は、構えることのない、いつもながらのリラックスしたラフな雰囲気。冗長なところもある曲だけに、こういった演奏の方が楽しめる。

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グリーグ 交響的舞曲(P・ヤルヴィ)

CD

 ■ E・グリーグ作曲/交響的舞曲

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 ▲ P・ヤルヴィ指揮/エストニア国立交響楽団

 2003年録音。

 原曲はピアノ連弾曲。4楽章形式で演奏時間約30分。4楽章共に「ABA」の3部形式で、BはAの同名短調(または長調)という構成。

 「ノルウェー舞曲」と同傾向だけれども、さらにスケール・アップした感じの曲。

 「交響的」な楽章よりも、「舞曲」風の第2,3楽章や、第1楽章の主部(A)などが楽しい。第4楽章はちょっと長い感じがする。

 下手すると冗長になりがちな曲だけど、きちんとまとめて聴かせてくれる。真面目さがプラスに出た感じ。

 まさに『シンフォニック』な堂々たる演奏(特に第4楽章)。透明感のあるサウンドもいい。

 基本的に繰り返しを行なっているけれども、なぜか第2楽章の中間部だけは省略していて、これは中途半端。

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