ベルリオーズ

ベルリオーズ イタリアのハロルド(フェドセーエフ)

music CD

 ■ベルリオーズ作曲/交響曲「イタリアのハロルド」

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 ▲ Y・バシュメット(ヴィオラ)/V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 1989年、モスクワでのライブ録音。

 基本、バシュメットがメインのCD。表紙にもバシュメットがどーんと写っているし、直輸入盤なので日本語解説の冊子が挟まれているのだけれども、そこには楽曲紹介とバシュメットについての記述があるだけで、指揮者とオケについては一言も(本当に1文字も)触れられていない。

 ちなみに、この曲は楽章が進むと共にヴィオラの出番が少なくなり、第4楽章ではほとんどがオーケストラだけの演奏になるという構成。決して、ヴィオラ独奏曲/協奏曲ではなくて、オーケストラのウェイトも大きい。

 それを考えると、ちょっと冷たいのではないかと思うけれど、私がこのCDを買ったのは『当然』フェドセーエフが聴きたかったから。

 弦を中心にした厚みのあるサウンド。曲が曲だけにそう変わったことはできないにしても、どかどかと重く打ち込まれるティンパニ、終楽章のコーダも突っ走るのではなく、一歩一歩踏みしめるような重さがある。

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ベルリオーズ 幻想交響曲(ガッティ&RCO)

music BD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/幻想交響曲

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 ▲ D・ガッティ指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 2016年のライブ録画。

 ヤンソンスの後任として今年から首席指揮者に就任したガッティ。なんだか意外な人選だ...

 なにはともあれ、とても不思議な味わいの「幻想」。

 第1楽章主部の「恋人の主題」。遅めのテンポで細かく表情が付けられる。そのため、音楽が全く流れない。でも、こんなに覚めてていいのだろうか。

 指揮者が感情を昂ぶらせるのは第3楽章の途中くらい。その他では常に冷静に、(あえて?)一歩引いたところに立って音楽を作っていく。

 第4、5楽章も抑制された印象。第5楽章のエンディングの最後の和音も、短くスパッと切られる。

 しかし、ガッティってこんな指揮者だったんだろうか。何だか、無理しているようにも感じられるのだけど...。

 しかし、なぜにガッティ??...他に適任者はいなかったのか。

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ベルリオーズ 序曲「海賊」(ノリントンの映像)

music DVD

 ■ ベルリオーズ作曲/序曲「海賊」

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 ▲ R・ノリントン指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団

 リハーサルとコンサート本番を収録。

 後半の演奏部分もさることながら、面白いのは前半の、ノリントンへのインタビューも交えたリハーサル部分。

 曲に対する講釈は、もちろんノリントン自身の解釈ではあろうけれども、なるほどと思うし、初めてこの曲のイメージが見えてきたように思う。

 要はハリウッド的、海洋冒険大活劇。架空のオペラのための序曲。主人公の海賊はベルリオーズ自身。

 トランペットはナチュラル・トランペット。弦のノン・ビブラート奏法は前半で効果が出ている。

 冒頭、弦楽器のスケールに続く、管楽器のリズム音形(↓)をホルンが最初は吹けないのはご愛嬌...?

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 もちろん、自分のパート(ホルン)だけ見れば難しくもなんともないのだけれども、木管が絡んでくるとややこしくなる。

 ノリントンの言うところの、メイン・テーマによる「凱旋パレード」からは一気にエンディングまで突き進む。

 ノリントンは英語とドイツ語でリハーサルを進めるのだけれど、英語の部分にしか字幕が入っていません。

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ベルリオーズ イタリアのハロルド(マゼール)

music CD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/イタリアのハロルド

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 ▲ L・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団

 1977年録音。ヴィオラ独奏のロバート・ヴァーノン(Robert Vernon)はクリーヴランド管の首席奏者。

 パガニーニの依頼で書き始められたという曲。第1楽章は独奏ヴィオラも活躍し、『協奏曲』的雰囲気もあるけれども、第2、3楽章と怪しくなり、第4楽章の主部では一切出番が無くなる。最後近くにまた少しだけ登場するものの、エンディングはオーケストラのみ。何とも不思議な(いびつな)構成になっている。

 独奏がヴィオラだったり、ソリストが手持ち無沙汰になるためか、コンサートで演奏される機会は「幻想交響曲」に比べると圧倒的に少ない。

 個人的には「幻想…」は前半3楽章がどうも退屈しがちで、「…ハロルド」の方がよりコンパクトにまとまっているので、通して聴くならこちらの方がいい。

 私がよく聴くのはこのマゼール盤。クセのある部分もあるにしても、全曲を通して引き締まった緊張感があり、何より響きがすっきりして重くないのがいい。

 ウィーン・フィルを振った「ロメオとジュリエット」(こちらもいい演奏)との2枚組CD。

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ベルリオーズ 幻想交響曲(フルネ&都響の映像)

music DVD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/幻想交響曲

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 ▲ J・フルネ指揮/東京都交響楽団

 2003年4月24日、東京芸術劇場でのライブ録画。このコンサートは会場に聴きに行きました。

 かつて、コンサートで何回となく聴いたこのコンビ。今、こうやって映像で観ることができるのは、とても嬉しく、そして懐かしい。

 フルネさん、当時90歳。その指揮は、びっくりするほど力強い時もあるけれども、危なっかしく、ヒヤヒヤするところも多い。思い入れなく純粋に観れば、ちょっとつらいかもしれない。

 この頃は、すでに体調を悪くされていて、この日もプログラムの変更があったと記憶している(当初のメインは「イタリアのハロルド」)。

 できれば、元気な頃のこのコンビを観たかった...歳をとってから崇められるのが世の常ではあるけれども...。

 演奏そのものは奇を衒うことのない、静かな中にも緊張感が漂う。この曲をフルネさんの棒の下で何度も演奏してきたからこその演奏ではなかろうか。

 昨今、やたらと芝居がかった演奏が多い中、こういう「幻想…」は貴重だ。

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ベルリオーズ 幻想交響曲(アルヴィド・ヤンソンス)

music CD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/幻想交響曲

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 ▲ アルヴィド・ヤンソンス指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

 1971年4月12日のライブ録音(ステレオ)。

 今では「マリス」かもしれないけれども、一昔前は指揮者の「ヤンソンス」と言えば「アルヴィド」でした。

 そのアルヴィド・ヤンソンスはマリス・ヤンソンスの父上。東京交響楽団とのつながりが深く、永久名誉指揮者の称号を与えられています。

 で、この演奏。かつてのソビエト系の指揮者にありがちな、マッチョなパワーや統率力で聴かせる音楽とは違う。ロシア的な土臭さも無く、西欧的に洗練された雰囲気がある。第1楽章の繊細で細やかな弦楽器などとてもいい。

 木管は当時のソビエトらしいペラペラな音。金管はよく鳴っているけれど、ロシア臭は少ない。鐘は音程のハッキリしたクリアな音。

 しかしながら、一番興味深いのは、例えば第4楽章のエンディングで音を一つ一つふくらませたり、第5楽章の「怒りの日」のトロンボーン etc. のコラールを弱音のテヌートで演奏させたり...こういったやり方が息子のマリスと全く同じなのだ。

 これは、マリス(@息子)が父親のアプローチを継承していると考えていいのだろうか。

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ベルリオーズ 幻想交響曲(ロジェストヴェンスキー&レニングラードPO)

music CD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/幻想交響曲

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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

 1971年9月9日、ロンドンでのライブ録音。音はずいぶん遠い感じがする。

 まずは、前半3楽章が(意外にも)とてもいいのだ。

 ロシア(ソビエト)のオケとは思えないような、細やかで繊細なニュアンスがある。さすがレニングラード・フィル。

 第3楽章、最後のティンパニは雷が次第に近づいてくる、不穏な雰囲気。

 で、第4楽章。ここからが問題で、ずけずけと無遠慮に金管楽器が割り込んでくる。

 当然、予想はしていたし、期待(?)もしてはいるのだけれども、それにしても、ニュアンスもない、無味乾燥な音は、前半とのギャップが激しい。

 金管が入ってこない部分、第5楽章の導入などはとてもいい。

 これが下手なオケ(文化省オケとか)ならば、笑って済ませるかもしれないけれども、上手なだけに、もうちょっと何とかならなかったのかと思ってしまう。

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ベルリオーズ 幻想交響曲(ノリントン&LCP)

music CD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/幻想交響曲

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 ▲ R・ノリントン指揮/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ

 1988年録音。ノリントンの旧録音盤(EMI)。

 初演当時の「楽器や演奏法(instruments and playing style)」による演奏。ノリントン自身による「演奏ノート」にある、"First of all, we try to play the score." という言葉が全てであるように思う。

 第2楽章のコルネットは無し。第1、4楽章のリピートは行なっている。

 現在では通常チューバで代用されるオフィクレイドをオリジナル通りに使用していて、その音の違いというのはハッキリと聴き取れる。

 前半3つの楽章は軽やかなサウンドと肌触り(木管と弦)、流れの良い音楽。

 第3楽章のオーボエとイングリッシュ・ホルンはぶっきら棒な感じだけれども、実際に羊飼いが吹く笛の音をイメージさせ、いかにも『描写的』。

 第4楽章のテンポは落ち着いて感じるけれども、ベルリオーズの指定は「アレグレット・ノン・トロッポ(Allegretto non troppo)」なのだ(決して「アレグロ・モルト(Allegro molto)」ではない)。

 さらには指定されたリピートを行っているので、演奏時間は約7分半。それにより、この交響曲の中での1楽章としての存在感が出てくる。

 終楽章も現代の高性能オケによるパワー全開の演奏に比べると随分と大人しい感じもするけれど、これが当時響いていた音なのだろうか。

 しかし、それによって後半2楽章が突出することもなく、さらには「5楽章の交響曲」という古典的な面が前面に出てくる、とても面白い演奏だと思う。

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ベルリオーズ 幻想交響曲(ガーディナーの映像)

music DVD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/幻想交響曲

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 ▲ ガーディナー指揮/オルケストル・レヴォリュショネール・エ・ロマンティーク

 1991年、パリの旧音楽院ホールでのライブ録画。

 古楽器(ピリオド楽器)による「幻想…」の映像ということで話題になったソフト。

 広くないステージに奏者がびっしり並んでいる。ハープは6台(左右に3台づつ)。

 第5楽章の鐘は教会の鐘のような音だけれども、ステージ上(映像)には現れない。

 「怒りの日」ではセルパンを加え(2番オフィクレイド奏者が持ち替え)、オフィクレイドとセルパンのユニゾンで演奏している。

 ここをグレゴリオ聖歌のパロディとして見れば、教会楽器であるセルパンを使うという『解釈(判断)』も有りかもしれないけれど、少なくともベルリオーズのスコアにセルパンは無く、なんらかの根拠はあるのかもしれないけれど添付されている解説に記述は無く、いかにもベルリオーズがセルパンを指定していた様にも読める書き方で曖昧にして(ごまかして?)いる。

 セルパンだけ2本ならともかく、サウンド的にも中途半端になってしまうようにも思うのだが...。

 ガーディナーは「時代考証」とか「演奏スタイル」ということには無頓着で、要は「古楽器で演奏する」というのが主眼(売り)のように感じる。

 逆に言うと一般に受けやすい(聴きやすい)ということにもなり、これよりも先に出たノリントンの旧盤が全く話題にならず、このガーディナー盤が大々的に持ち上げられるのも、そこなのかもしれない。

 要は音楽そのものは、意外に普通の、よく耳にする「幻想」なのだ。

 とは言うものの、オフィクレイド、セルパンなどの『演奏風景』を見ることができ、『映像ソフト』としての価値は十分にある。

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 ▲ コルネット(向かって右)とトランペット(左)

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 ▲ 「怒りの日」を吹くオフィクレイド(左)とセルパン(右)

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 ▲ オフィクレイド奏者

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ベルリオーズ 幻想交響曲(ハイティンク&RCOのライブ映像)

music BD

 ■ ベルリオーズ作曲/幻想交響曲

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 ▲ B・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 1989年、ハイティンクがコンセルトヘボウ管の常任指揮者を退任した翌年のライブ映像。

 まだ50歳のハイティンクの大熱演。

 後半だけ盛り上げてお仕舞いでない、前半3楽章も素晴らしい『音楽』を聴かせてくれる。

 演奏後、すぐにスタンディング・オベーションとなるのも納得。まさしく『正統派』の名演奏。

 第2楽章はコルネット入りのバージョン(そのコルネットが上手い!)。第5楽章の鐘は「C」「G」と刻印された大きな鉄板を叩いてます。

 ただし、映像と音はあまり良くありません。

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