ショスタコーヴィチ

ショスタコーヴィチ 黄金時代(ボリショイ劇場)

BD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/バレエ「黄金時代」

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 2016年、ボリショイ劇場でのライブ録画。グリゴローヴィチ振付。指揮はパヴェル・クリニチェフ(PAVEL KLINICHEV)。

 オーケストラのための組曲(「ポルカ」が有名)が知られているバレエのステージ。

 レストラン「黄金時代」の踊り子リタに一目惚れした漁師ボリス、その仲を裂こうとするギャングの親玉のヤシュカ。もちろん、最後はめでたしめでたしのハッピー・エンド。
 
 ストーリーがどうのこうのより、踊りの楽しさと音楽の魅力で一気に観ることができる。

 ただ、音楽については他の曲からの流用もあり、例えば幕切れ近くのデュエットでは「ピアノ協奏曲第2番」の第2楽章が使われていたり、逆に組曲に含まれる「アダージオ」は現れない。

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ショスタコーヴィチ 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」組曲

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ/「ムツェンスク郡のマクベス夫人」組曲

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 ▲ トーマス・ザンデルリンク指揮/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団

 2005年録音。

 同名のオペラからの組曲(3曲の間奏曲)。トーマスはクルトの息子さん。

 ロシア・フィルは無茶苦茶上手とか、キャラが立ってるということは無いけれども、明るいサウンドの、よくまとまった演奏。そんな中に(僅かではあるけれども)ロシア的な響きも感じさせてくれる。

 第3曲の間奏曲には「コンサート・バージョン」もあるけれど、この録音はバンダ入りのオリジナル・バージョン。

 ちなみに、バンダの編成は以下の通り。

  コルネット(Es) 2
  コルネット(Bb) 2
  トランペット(Bb) 2
  アルト(Es) 2
  テナー(Bb) 2
  バリトン(Bb) 2
  バス 2

 次から次へと音楽が溢れ出て止まらない、まさに『才気溢れる』弾けた音楽。私はこういうショスタコーヴィチが好き。

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ショスタコーヴィチ 交響曲第4番(フェドセーエフ)

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第4番

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 ▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 2004年のライブ録音。

 土臭さはないけれども、ティンパニや低音金管の重量感のあるサウンドが、音楽全体を締めてくれている。

 第3楽章(短いカット有)の「いかにも」といった感じの自由なトロンボーン・ソロがいい。

 第1楽章の弦楽器による高速フーガの部分はもう少しスピード感がほしいけれど、逆に、その後がカオス状態にならずに済んでいる。

 ただ、曲の終わりが終わりだけに、演奏後の拍手はカットしてくれた方が嬉しかったかも。

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ショスタコーヴィチ 組曲「黄金の丘」(ロジェストヴェンスキー)

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/組曲「黄金の丘」

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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/ソビエト文化省交響楽団

 1985年録音。

 1931年制作の映画音楽からの5曲から成る組曲。

  1.導入
  2.ワルツ
  3.フーガ
  4.葬送行進曲
  5.フィナーレ

 演奏時間20分弱。とにかくハイ・テンションで喧(やかま)しい。

 「導入」はハリウッド映画風ファンファーレ。それに続く「ワルツ」はこの組曲最大の聴きもの。

 最初のハワイアン・ギターは場末感満載だけれども、やがてフル・オーケストラの哀愁漂うワルツとなる。

 いきなりパイプ・オルガンが鳴り響く「フーガ」は『映画音楽』という域を完全に超えている。

 「フィナーレ」終結部のトランペット(「第3交響曲」からの引用)ではさすがにスタミナが切れたか、相当苦しそうに吹いているのも、また一興です。

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ショスタコーヴィチ 交響曲第6番(スヴェトラーノフの映像)

DVD

 ■ D・ショスタコーヴィチ/交響曲第6番

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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1979年のコンサートでのライブ録画。

 第1楽章は遅目のテンポでの堂々たる音楽。この楽章の演奏時間は、コンドラシンが13分弱なのに比べて18分以上(約1.5倍)。ただ、決してだれることなく、またアンサンブルに安定感がある。

 第2、3楽章は変拍子が連続するのだけれども、それも難無く鮮やかに振っている。

 トランペット、トロンボーンは相変わらず(中高生は真似すると先生に怒られます)。ホルンは所々でベル・アップ。ティンパニの豪快な乱打が映像に入っているのも嬉しい(カッコイイ)。

 カメラはソロ楽器を探すのに一苦労。第1楽章でフルートがソロを吹いているのに、一生懸命(第2楽章の?)指をさらっているE♭クラリネット奏者を延々映している(紛らわしいことしないで>E♭クラ奏者)。

 そのE♭クラリネットのソロ(第2楽章冒頭)はヴィブラートを一杯かけてソプラノ・サックスのような音。ピッコロは高い「F#」の音がキツそう。楽器は、昔の中学校のブラバンで使っていたような金属性の楽器。

 スヴェトラーノフはクールに指揮を続けるけれど、第3楽章後半からグングン加速して熱くなって行き、最後は指揮者も奏者も(カメラも?)大興奮のうちに曲を終えます。このコンビ、最良の演奏。

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ショスタコーヴィチ 交響曲第12番(ムラヴィンスキーの映像)

DVD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第12番「1917年」

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 ▲ E・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

 1984年4月28日のライブ録画。

 この演奏はCDでも別途発売されているけれど、第4楽章の途中でムラヴィンスキーが拍子を振り間違い、演奏が大きく乱れる部分が映像で確認できる。

 ちなみに、これがムラヴィンスキーの最後の録音(録画)になったのも、この『事故』が影響しているのだろうか...。

 正直、ここは観ているだけでも心臓が止まりそうになる、かなりショッキングなシーンで複雑な気持ちだけれども、それであっても演奏は1961年録音盤共々この曲の『決定盤』と呼ぶに相応しい、別格の素晴しさを持っている。

 当時まだソビエト時代、立ち見もいるビッシリ満員のフィルハーモニー大ホールでショスタコーヴィチを演奏するムラヴィンスキー&レニングラードPO。

 その会場にピシッと張り詰めた得も言われぬ緊張感、居眠りしたりよそ見している人などいない...その『空気』が感じられるという意味でも貴重な映像。

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ショスタコーヴィチ チェロ協奏曲第2番(ロストロポーヴィチの映像)

DVD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/チェロ協奏曲第2番

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 ▲ M・ロストロポーヴィチ(チェロ)/E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1966年、モスクワ音楽院大ホールでのライブ録画。

 これが、何とこの曲の世界初演時の映像というのだから驚き。画質(モノクロ)は悪く、音も所々欠落する。

 曲そのものは渋すぎるのだけれども、ロストロポーヴィチの感情が昂ぶってくるのがよく分かるし、スヴェトラーノフも第3楽章での熱し方・乱れ方は激しい。

 最後はオケが全く無くなり、独奏チェロの低い「D(レ)」音の延ばしだけが残って、唐突な感じで終わる。しかし(なぜか)指揮者も独奏者と一緒にポーズを決める。

 そんな終わり方なのに『世界初演』にしては曲が終わった瞬間に拍手と「ブラヴォー」が起きるのがちょっと不思議だが、事前に(リハとかで)聴いていた人なのだろうか。

 しかし、何とも貴重な映像が残っているもんです。

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ショスタコーヴィチ チェロ協奏曲第2番(ノラス)

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/チェロ協奏曲第2番

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 ▲ A・ノラス(チェロ)/A・ラシライネン指揮/ノルウエー放送管弦楽団

 1997年録音。

 ショスタコーヴィチはチェロ協奏曲を2曲作曲していて、この「第2番」は作曲者60歳の記念演奏会のために書かれたもので、このとき、ショスタコーヴィチの健康状態は極めて悪かったとのこと。

 楽器編成は弦と木管、金管は2本のホルンのみ、それに多くの種類の打楽器が加わり、この打楽器群は『音量』的な効果よりも、完全にソロ・アンサンブル楽器としての扱いを受けていて、全曲で非常に重要な役割を担っている。

 「第1番」は割りと正統路線だったけれど、この曲は謎めいた独特の雰囲気を持っていて、前にも書いた打楽器の使用法、何度も繰り返される「D-Es-C-H」に基いたモチーフ、様々な引用(ムソルグスキーの「ボリス…」、自作の第4交響曲、彼の母親が歌っていたという歌)、そして、終結部の打楽器アンサンブル(これは第4交響曲で用いられ、第15交響曲の終結部にも現れる)。

 自身の「第15交響曲」に近いものを感じ、当時の健康状態から『死』というものがちらついていたのではないか、そんな気もする。

 初演者ロストロポーヴィチの録音もあるけれど、このノラスのチェロは、いわゆる『熱演型』ではないけれど、落ち着いた雰囲気でこの曲の美しさを引き出していて、ある種の余裕みたいなものも感じる。

 バックのオケも大健闘。ラシライネンは知る人ぞ知るノルウェーの名指揮者。

 第1番(こちらもいいです)とのカップリングで1000円(国内盤)は、相当にお買い得です。

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ショスタコーヴィチ 祝典序曲(ロジェストヴェンスキー)

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/祝典序曲

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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ放送交響楽団

 1948年の録音と記載されているけれども、明らかに間違い。もっと新しい録音。

 冒頭のファンファーレから、あっけらかんとした開放的なサウンド。

 主部に入ると前のめりのリズムで、転びそうになりながらも突き進む。金管は鳴らしに鳴らすけれども、スカッと、余裕綽々。

 オケはやけに上手いなと思ったら、やっぱり文化省オケではありませんでした。

 いわゆる『爆演系』。数分間のストレス発散。

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ショスタコーヴィチ 交響曲第5番(テミルカーノフ)

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第5番

 テミルカーノフ指揮による録音を2種。

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 ▲ Y・テミルカーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1981年ライブ録音。音は悪くないです。

 いろんな意味で期待通りの『ソビエトの』オケによる演奏。

 ただこの指揮者、場当たり的な感じもするし(本当は違うのだろうが)、細かい部分がテキトーな感じもするし(実際は違うと思うが)、ハッタリだけのような感じもするし(そんなことはないと思うが)...でも、この演奏は聴かせてくれます。

 ミスもするけれども金管楽器と打楽器(特にティンパニ)の爆音(轟音?)と音楽の推進力。ただし曲造りは意外にオーソドックスか。

 そうそう繰り返し聴く気にはならないけれども、一発勝負のライブとしては相当に魅力的だと思うし、また「現在では決して聴けないであろう演奏」という意味でも貴重な録音。


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 ▲ Y・テミルカーノフ指揮/サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団

 1995年録音。

 「ソビエト時代は…」なんて比べるつもりは全く無くて、金管などもよく鳴っているし、そういった面で不満はないのだけれども、この指揮者の色々な表現が上っ面だけのように感じてしまう。

 それを面白いと思う人もいるかもしれないけれど、私には邪魔に感じる。まあ、あくまで『好み』の問題と言うことで...

 カップリングはキタエンコ指揮(フランクフルト放送響)による「ジャズ組曲」の第1番と第2番。個人的にはこちらがメイン。

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