ロシア(ソビエト)の作曲家

ソヴィエト・エコーズ~「特権と圧力」(第2巻)

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 ■ ソヴィエト・エコーズ~第2巻「特権と圧力」

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 「ソヴィエト時代の膨大な音楽映像アーカイブをもとにイギリスで制作された」ドキュメンタリー。

 全3巻のうち作曲家をメインにした「第2巻」は相応の観応えがあり、特にショスタコーヴィチがメインに扱われているでファンは一見の価値有りです。

 アシュケナージ指揮のレニングラード・フィルによるショスタコーヴィチ「交響曲第7番」の演奏(レコーディング風景?)に始まり、ロストロポーヴィチ&スヴェトラーノフ(熱い!)による「チェロ協奏曲第2番」初演の様子もかなり長く収められていて、演奏終了後に作曲者がステージに上がり、独奏者と共にカメラマンに囲まれている様子も観られます(ある作曲家の作品の初演が事件となった時代)。

 最後はロジェストヴェンスキー(随分と貫禄が...)のインタビューから、氏が指揮したショスタコーヴィチのオペラ「鼻」のリハーサル風景と、客席でそれを高揚した様子で見つめる晩年の作曲者。

 その他、80歳のストラヴィンスキーが一時帰郷した時に指揮した「ペトルーシュカ」(独特の指揮ぶり...1947年改訂版、終結はコンサート用のコーダ)、ロストロポーヴィチによるプロコフィエフ「シンフォニア・コンチェルタンテ」等々。

 演奏風景はいずれも断片だけれども、ロストロポーヴィチの映像が多く(指揮姿も)、指揮者についてはアシュケナージ、ロジェストヴェンスキーがインタビューなどに登場する程度で、メインでは扱われていません(ムラヴィンスキーも登場せず)。

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ラフマニノフ 「鐘」(ビシュコフの映像)

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 ■ S・ラフマニノフ作曲/合唱交響曲「鐘」

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 ▲ S・ビシュコフ指揮/ケルン放送交響楽団

 ソリストはCDと同じ顔ぶれ。演奏もいいし、この曲の映像ソフトとして貴重。

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 観客の入っていないホールでの録画。奏者の服装もまちまち。「コンサートのライブ」ではありません。

 鐘(チャイム)はコーラスの中、高い位置に配置。

 各楽章を個別に収録したものを繋ぎ合わせたのか、独唱者の出入り(入れ替え)の場面は省略されている。

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 その独唱者では、第4楽章のバリトンのウラジーミル・ヴァネーエフが迫力のある顔付き。

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 奏者がアップで映されることが多く、中ではクラリネットのトップを吹いている女性が注目。

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グラズノフ 交響曲第5番

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 ■ A・グラズノフ作曲/交響曲第5番

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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/バイエルン放送交響楽団

 1983年録音。

 堂々としたユニゾンによる第1楽章の冒頭はいい雰囲気。ブラームス、ドヴォルザーク、シューマン...色んな作曲家の影がチラつく。

 第2楽章はメンデルスゾーン的スケルツォ。トリオはフルートやピッコロのメロディが可愛らしいけれども、間もなく20世紀を迎えようとしている時に、こんなに呑気でいいのかという気にもなってくる。

 穏やかな第3楽章は正にアンダンテ(Andante)、一度浸かると出るのが億劫になるような心地良さ。

 そして、民族舞曲風の賑やかなフィナーレはこの曲の最大の聴き所。この楽章から打楽器が加わるのはお約束。

 しかし、エンディングの和音進行(B♭→E♭→B♭)がチャイコフスキーのピアノ協奏曲風なのには、ちょっと笑ってしまった(失礼sweat02)...せっかくいい雰囲気だったのに、最後の最後にこう来るとは。

 ▼グラズノフ作曲/交響曲第5番~第4楽章終結部

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 ▼チャイコフスキー作曲/ピアノ協奏曲第1番~第1楽章終結部

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 ここはフツーに終わってもよかったんじゃないでしょうか>グラズノフ先生。

 このヤルヴィ(@父)盤は、当然ながらロシア的な土臭さは無いけれども、フィナーレのコーダはケレン味たっぷりに、これでもかとばかりに豪快に盛り上げてくれる。


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 ▲ E・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

 1979年6月8日、NHKホールでのライブ録音。

 聞こえてくる拍手の距離感からすると、どうも客席で録音されたような印象を受ける。オケの音は遠目だし、バランスも良くない。

 しかし、演奏については別格の素晴らしさ。確信に満ち、見事に統制され、作り上げられている。

 初めてこの曲を聴く人に勧めることはないけれども、個人的にはこれ1枚あれば十分という気持ちにもなる。


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 ▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 1974年録音。フェドセーエフがこのオケの音楽監督に就任した年、このコンビがまだロシア的な土臭さを持っていた時期の録音。

 テーマがユニゾンで奏される冒頭からして「おお!」と思わず声が出る荒々しい迫力。常にテヌート(sempre tenuto)で吹くトランペット、フィナーレは轟音を立てて爆走する。

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グリンカ カマリンスカヤ

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 ■ M・グリンカ作曲/幻想曲「カマリンスカヤ」

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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1961年録音。

 ロシア民謡によるファンタジー。「グリンカのオーケストラ作品をどれか1曲」と言われれば、私はこれ。

 メロディは2つ。冒頭に現れる「歌」と、速いテンポの「踊り」。シンプルで素朴なロシアの音楽。

 「ルスランとリュドミーラ」序曲だけではない。これこそ、グリンカのグリンカたる音楽だと思う。

 ロシア勢の録音もあるけれども、この曲もアンセルメがいい。まずは、このアンセルメ盤を聴けば、この曲も魅力が分かるのではなかろうか。

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グリンカ スペイン序曲

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 ■ M・グリンカ作曲/スペイン序曲

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 ▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 1995年録音。

 リムスキー=コルサコフ「スペイン奇想曲」の前身みたいな曲。

 あまり演奏されないし、知名度も低く、ロシア系以外の指揮者で録音しているのはアンセルメくらいだろうか。

 でも、すごく楽しい曲。

 副題の付けられた2曲がある。

  第1番「ホタ・アラゴネーサの主題よる華麗な奇想曲」
  第2番「マドリードの夏の一夜の思い出」

 「第1番」は導入こそ仰々しいけれども、軽快な主部(「ホタ」)に入ると空気は一変。ヴァイオリンのソロに始まる、明るく軽快な4分の3拍子。カスタネットも加わって、気分は完全にスペイン。

 「第2番」ではヒナステラ作曲の「ルイス・アロンソの結婚式」間奏曲と同じメロディが使われている。

 確かにコルサコフ作品のような派手さは無いにしても、十分にスペイン気分を満喫できる。少なくとも私はグリンカの方が好き。

 フェドセーエフはロシア的な重さも持ちつつ、かなり抑制された音楽。

 これはこれでいいけれど、全盛期のデュトワ&モントリオール響あたりで聴いてみたかった曲。


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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1968年録音。

 パワフルで逞しく、完全にスペイン風『ロシア音楽』(実際そうなのだけれども)。


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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1964年録音。第1番(「ホタ・アルゴネーザ」)のみ収録。

 導入部はちょっと頼りないけれども、主部の「ホタ」に入ってからはアンセルメの独壇場。昔から、この手の曲はアンセルメと相場が決まっていた。

 導入は重々しく、あんまりスペインという感じはしない。

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カリンニコフ 交響曲第1番

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 ■ V・カリンニコフ作曲/交響曲第1番

 この曲、正直『交響曲』としての造りは今一つかもしれないけれど、何と言ってもメロディが素晴らしい。

 個人的に好きなのは第1楽章の第2主題。ロシア的な哀愁と憧れ...何度聴いても胸が熱くなる名旋律だと思う。

 逆に、このメロディに何も感じない人にとっては、この曲を聴くのは時間の無駄以外の何物でもない。

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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1975年録音のメロディヤ盤。

 第1楽章からグイグイと前へ進む音楽。N響盤よりもはるかに濃厚で、逞しい。

 しかし、何と言っても聴きものは終楽章。ものすごいスピードとアンサンブルで一気に突き進む。そして高鳴るブラス。

 金管などクセの強いサウンドであるけれども、ロシア音楽のファンであれば、まずはこれであるのは間違いない。

 私が所有しているメロディヤ盤には、終楽章の演奏時間が5分11秒と記載されているけれども、さすがにこれはミス・プリントで、実際は8分弱。ちなみに、N響盤は9分10秒(拍手込み)。


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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/NHK交響楽団

 1993年2月3日、NHKホールでのライブ録音。

 スヴェトラーノフが初めてN響に客演したときの演奏。

 スヴェトラーノフ指揮の録音であれば、ソビエト国立交響楽団を指揮したメロディヤ盤が外せないのだけれども、あまりに刺激が強すぎるので、普段何気に聴くのはこちらの方が多い。

 第1楽章提示部のリピートはカット。


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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

 1987年録音。

 ヤルヴィはオケを豊かに、また豪快に鳴らし、聴かせ所を押さえた演奏。ちょっと荒っぽい感じもするけれども、このくらいやってくれた方が面白く聴ける。

 先日、N響の定期でも振っておられて、お気に入りの曲なんでしょう。

 この曲が『隠れた名曲』として話題になったのは、クチャル指揮のナクソス盤でだったように記憶しているけれども、当面は上にあげたスヴェトラーノフ盤と、このヤルヴィ(@父)盤があれば事足りるように思う。

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ボロディン 中央アジアの草原にて(サロネン)

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 ■ A・ボロディン作曲/交響詩「中央アジアの草原にて」

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 ▲ E・サロネン指揮/バイエルン放送交響楽団

 1984年録音。

 ロシアと東洋の商隊が中央アジアの草原ですれ違う様子を描写した『描写音楽』の教材として、中学校の音楽の授業で聴かされた曲。

 「ロシアの歌」と「東洋の旋律」、2つの主題が交互に現れ、やがて同時に演奏され、最後は遠ざかっていく。

 分かり易いけれども、大きく盛り上がることもない単純な音楽で、そうそう積極的に聴こうとは思わない曲なのだけれども、このサロネンの演奏は素晴らしい。

 非常によく考えられ、作り込まれている。最初はイングリッシュホルンで演奏される第2の主題で大きくテンポを落として、2つの主題のコントラストを明確にしている。

 演奏時間は8分。管楽器をはじめとするオーケストラのサウンドも素晴らしく、とても聴き応えのある、この曲を見直すような演奏になっている。

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イッポリトフ=イワノフ 組曲「コーカサスの風景」

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 ■ M・イッポリトフ=イワノフ作曲/組曲「コーカサスの風景」

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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

 1961年録音。

  1.峡谷にて
  2.村にて
  3.モスクにて
  4.酋長の行列

 演奏時間20分以上。これだけの時間があれば、ハイドンやモーツァルトの交響曲でも聴いた方が、よほど有意義な時間を過ごせる...などと考えるのは、時間に追われる現代に生活しているからだろうか。

 のどかなホルンのシグナルに始まり、小川のせせらぎを表わす弦楽器。中間部のイングリッシュホルン。何も起きる気配が無い、のどかな時間がゆったりと流れる。

 その時間の中で、美しいメロディに浸ることができれば、この曲を楽しめるのではなかろうか。

 第2楽章の鄙びたヴィオラとイングリッシュホルン。中間部はドラムのリズムと軽快な舞曲。

 第3楽章は木管とホルンによるアンサンブル。ここで使われているのは、「悲愴交響曲」第2楽章中間部と同じメロディ(民謡?)だろうか。

 第4楽章は単独でも演奏される有名な曲。ピッコロとファゴットの異国風メロディは、最後にトランペットなどで朗々と吹き鳴らされる。

 演奏はこのロジェストヴェンスキー盤が一番。

 モスクワ放送響のような泥臭さは少ないけれど、ローカルな雰囲気もありつつ、終曲の躍動感、そして、最後は期待通りに鳴らし、盛り上げてくれる。

 カップリングはストコフスキー編曲版の「展覧会の絵」と、スクリャービンの「プロメテウス」。


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 ▲ F・グルシチェンコ指揮/BBCフィルハーモニー

 1993年録音。

 1曲目「峡谷から」。大らかで伸びやかな音楽が展開する。この楽章だけで演奏時間10分もかかるのだけれども、意外に長さを感じさせない。全く感覚の違う時間が流れているようだ。

 2曲目「村にて」の中間部のリズムを刻むのは民俗楽器だろうか?

 落ち着いた運びの「酋長の行列」まで、明るめの色調はロシア的な土臭さを感じさせず、イギリスかアメリカのライト・ミュージックのようでもある。

 カップリングはハチャトゥリアン作曲の「交響曲第3番」と「勝利の詩」。

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カバレフスキー 「コラ・ブルニョン」序曲

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 ■ D・カバレフスキー作曲/「コラ・ブルニョン」序曲

 カバレフスキーというと、知名度では「道化師」組曲なのだけれども、この曲もとても面白い。

 同名のオペラのための序曲。演奏時間数分、速いテンポのまま一気に進む。快速ノン・ストップ。

 ハンスバーガー編曲による吹奏楽版もあり、こちらの方は結構演奏されているかもしれないけれど、難易度は極めて高くてハイトーン高速8分音符(実質16分音符)の連続。

 ショスタコーヴィチの「祝典序曲」といい、ハンスバーガーはこの手の曲が好みなのだろうか。

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 ▲ F・ライナー指揮/シカゴ交響楽団

 1959年録音。

 曲が曲だけに、勢いさえあればどんな演奏でもそれなりに楽しめてしまうけれども、このライナー盤のアンサンブルの見事さは別格。色々な音がクリアに聞こえてきて、それらが決して乱れていない。余裕さえ感じさせる。

 カップリングは「展覧会の絵」とロシア管弦楽曲。


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 ▲ V・シナイスキー指揮/BBCフィルハーモニック

 2002年録音。これも悪くない。ライナー盤よりもカラフルな色彩感を感じる。

 カップリングは「道化師」組曲、ピアノ協奏曲第2番、第3番。


 【組曲版】

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 ▲ V・イェルヴァコフ指揮/モスクワ交響楽団

 1995年録音。ここら辺になると、さすがにアンサンブルは怪しい。

 なお、このCDにはオペラからの「組曲」として、「序曲」の他に以下の3曲が収録されている。

  1.民衆の祝祭
  2.民衆の災難
  3.民衆の反乱

 いずれも標題通りの、「序曲」とは雰囲気を異にした音楽で、特に後半2曲はシリアスでドラマチックな味わいもあって、この「組曲版」も意外に楽しめる。

 カップリングは「道化師」組曲、劇付随音楽「ロメオとジュリエット」組曲。

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ラフマニノフ 交響的舞曲

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 ■ S・ラフマニノフ作曲/交響的舞曲

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 ▲ K・コンドラシン指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

 1963年録音。まずはこれ。

 導入の後のトゥッティから切れ味鋭く、怒涛のティンパニとバス・ドラム。

 テンションの高さと、緊迫感は半端ではない。これを聴いてしまうと、一般的な欧米系の演奏が何とものんびりと平和に聞こえる。

 第2楽章の後半のテンポ・アップは何者かに追い立てられるような切迫感がある。

 最後の銅鑼はやや長めに余韻を残しています。

 カップリングは「鐘」。


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 ▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団

 1960年録音。この作品を献呈され、また初演者したコンビによる録音。

 第1楽章中間部のアルト・サキソフォンは細かいビブラートが付けられ、その後の弦楽器はストレートに思いをぶつけるようだ。単に表現力を誇示するようなラトル&BPOとは違う。

 第1楽章の途中にスコアに無いピアノが加えられていて、指揮者が自身の判断で加えたのか、あるいは作曲者の指示によるのか。

 最後の銅鑼は余韻を残さずに短く切っています。

 カップリングは「パリの喜び」と、セル&クリーヴランド管による「売られた花嫁」からの3つの舞曲。


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 ▲ S・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 2012年録音。とにかく上手い。

 第1楽章中間部や終結部での弦楽器の表現力。第2楽章の速い部分や第3楽章など、テクニカルな難所も見事に鮮やかに演奏し切っている。

 ただ、「ここはこうして、次はこうして...」という『段取り』を強く感じられるところもあり、ふと気持ちが音楽から離れていくこともあるのだ。

 最後の銅鑼は長めに余韻を残しています。

 ケバケバしいサイケなデザイン。カップリングは「鐘」。


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 ▲ M・ヤンソンス指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 2004年のライブ録音。

 温かみのある巣晴らしいオーケストラのサウンド。逞しさよりも、繊細さを感じさせる演奏。第1楽章の中間部(ここは指揮者、オーケストラの腕の見せどころだと思う)もいい。

 ヤンソンスがどのくらい伸ばしたかったかは分からないけれども、最後の銅鑼の余韻に被って拍手が起きてしまっているのは残念。ライブだと仕方ないか...。

 カップリングは「ペトルーシュカ」(1945年版)。


 【映像】

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 ▲ S・ビシュコフ指揮/ケルン放送交響楽団

 2007年録画。2枚組DVDから。

 観客を入れないホール(スタジオ)での録画。

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 奏者の服装も普段着。指揮者だけでなく奏者がアップになる画面も多いけれど、コンサート本番では見せないであろう表情などが上手く捉えられていて、とても面白い。

 ロシア的なパワー(爆発力)と情感のバランスが取れた見事な演奏だと思うし、この曲の映像ソフトとしても貴重。

 第3楽章の後半、「怒りの日」のテーマがホルンで高らかに吹奏される部分などはゾクゾクする。

 エンディングの銅鑼はスコア通りに微妙に音を残しているけれども、これはコンサートでは聴き取りにくいだろう。

 カップリングは「鐘」と「交響曲第2番」。

 ビシュコフ氏、風貌(ワイルド系/野獣系)のインパクトは大きいです。

 ちなみに、奥様はピアノ・デュオ「ラベック姉妹」のマリエル・ラベック(@妹)だそうです。ちょっと意外...。


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 ▲ Y・テミルカーノフ指揮/サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団

 2013年、フランス、アヌシーでのライブ録画。

 かつてのレニングラード・フィルとは全く別物のオーケストラ。ただ楽譜の上っ面を演奏しているだけのような演奏。

 しかし、カップリングの「シェエラザード」は意外に良かったりするので厄介だ。


 pencil 第3楽章のエンディングの銅鑼(ドラ)

 第3楽章のエンディングの銅鑼(ドラ)の処理は指揮者によって異なる。

 スコア(Kalms版)は下記の通り。赤枠が銅鑼パート。

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 他の楽器が8分音符で短く切っているのに対して、銅鑼だけが付点4分音符になっている(ただし、フェルマータの指定は無い)。

 銅鑼という楽器の性質上、楽器を『鳴らして』音を短く切るということが困難なために、このような書き方をしているとも考えられ、素直にスコアを読めば、ここは若干の余韻を持って音を切るということになると思う。

 しかし、音を止めることなく(フェルマータのように)大きく余韻を残す演奏もあり、これは3小節前に書かれている "Laisser vibrer" をどのように受け取るかによるだろうけれども、あながち「譜面とは異なっている」とも言い切れない。

 最近出たラトル&BPOもこのやり方で、確かに印象的ではあるけれども、短くした方が、これまでの音楽のポテンシャルをキープできるようにも思う。

 ちなみに、初演者のオーマンディは短く切ってます。

 今となっては作曲者がどのような演奏を想定(希望)していたかは知る由も無く、『解釈』は如何様にも成り立つので、結局は指揮者の好みということになるでしょう。

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