レスピーギ

レスピーギ 交響詩「ローマの祭り」(フェドセーエフ)

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 ■ O・レスピーギ作曲/交響詩「ローマの祭り」

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 ▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 1984年(?)のライブ録音。

 これは何とも強烈な演奏。カップリングは「ローマの噴水」と「牧神の午後への前奏曲」。

 「チルチェンセス」冒頭の重量感のある金管とティンパニの轟音から、何かが起きそうな不穏な空気が漂う。

 そして、中間部。低音による Pesante がやたらと速くて面食らう。

 以後は終始遅いテンポをキープ、地底怪獣ような唸り声をあげるトロンボーンや金管は断末魔の悲鳴のようでもあり、ずっしりと重く打ち込まれるティンパニが止めを刺し、阿鼻叫喚のうちに冒頭のファンファーレが再現する。

 続く「五十年祭」は途中からテンポをぐっと落として、そのままクライマックスへ。通常の演奏のほぼ倍のテンポ。金管は酸欠状態か。それでも吹き切るところはさすが。

 終曲「主顕祭」の重量感は半端ではない(特にティンパニを筆頭の打楽器)。テンポを落としたトロンボーン・ソロは相当に呑み過ぎているようだ。

 とにかく次の展開が全く読めない。通常は思い入れたっぷりに歌わせるような場所も知らん顔して通り過ぎるし、逆に煽りたくなるような所もそのまんま。

 しかし、確かにヘンではあるけれども、何か変わった解釈をしてやろうとか、聴く人を驚かせてやろうとかいう気配、要はあざとさが無く、これが素直に指揮者自身の感覚なんだろうと思う。

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レスピーギ 交響詩「ローマの祭り」(山田一雄&都響)

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 ■ O・レスピーギ作曲/交響詩「ローマの祭り」

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 ▲ 山田一雄指揮/東京都交響楽団

 1989年3月30日のライブ録音。しかし、よくぞこんな録音が残ってくれていたものだと思う。

 第1楽章「チルチェンセス」は煽ることなく、リズムを踏みしめるような演奏。

 そんな中で独特の間(ま)がスリリング。オルガンが鳴り響く終結部では、バス・ドラムが一瞬早く飛び出してしまう。

 この曲(楽章)で久々に聴き入ってしまった。バンダのトランペットもいい。

 終曲の「主顕祭」は期待通り。サルタレロ舞曲からの追い込みは我を忘れる。最後のプレスティッシモはよくぞ崩壊せずに持ち応えた。

 会場からの「ブラボー」も納得。

 オケは金管が大健闘。何と言ってもホルン・セクションの音が素晴らしく(「十月祭」など)、「主顕祭」のトロンボーンのソロも◎。

 アンサンブルの乱れや、奏者のミスなど多々あるけれど、それをはるかに超えた強烈な魅力のある演奏。

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バッハ(レスピーギ編) プレリュードとフーガ ニ長調(シュワルツ)

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 ■ J・S・バッハ作曲(レスピーギ編曲)/プレリュードとフーガ ニ長調

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 ▲ G・シュワルツ指揮/シアトル交響楽団

 1990年録音。オルガン作品(BWV532)のオーケストラ編曲版。

 レスピーギのバッハ編曲だと原曲の知名度によるのか、ハ短調の「パッサカリア」が有名だけれども、こちらもとても面白い。

 3管のオーケストラに4手のピアノが加わった編成。ピアノは独立して旋律を演奏したり、時にはサン・サーンスの「オルガン交響曲」のような雰囲気も出している。

 まずは前奏曲。華やかなトッカータ風音楽に続く後半部の "Alla breve" は何の違和感もなく、あたかもオリジナルのように響く。

 フーガは何の曇りもないニ長調。

 「♪ドレミレ・ドレミレ・ドレミレ・ド・・・」

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 終結部の晴れやかで開放的なサウンドが気持ちいい。

 録音はこのシュワルツ盤しか知らないけれども、カップリングの「パッサカリア」共々、意外に落ち着いた雰囲気を持った演奏で、十分に楽しめる。

 バッハ作品のオーケストラ編曲版を集めたアルバムで収録曲は以下の通り。

  パッサカリアとフーガハ短調(BWV 582)
  3つのコラール・プレリュード
  幻想曲とフーガ ハ短調(BWV 537)
  ヴァイオリンソナタ ホ短調(BWV 1023)
  プレリュードとフーガ ニ長調(BWV 532)

 「幻想曲とフーガ」はエルガー編曲。それ以外はレスピーギ編曲。


 【ハリス編曲版】

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 ▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団

 1971年録音。フーガのみのオーケストラ編曲版。

 変に凝ることが無いストレートな編曲で、明るく華やかなオーケストラ・サウンドが楽しめます。

 オーマンディやハリスなどの編曲によるバッハ作品を集めたアルバム(国内盤)。

 冊子に掲載されている「なぜ指揮者になったか?-指揮者の仕事-」というオーマンディによる文章が滅法面白い。

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レスピーギ バレエ組曲「シバの女王ベルキス」

 ■ O・レスピーギ作曲/バレエ組曲「シバの女王ベルキス」

 吹奏楽編曲版で一気に有名になった「ベルキス」。

 オリジナルは大編成のオーケストラと合唱、独唱者、語り手を要する80分のバレエ音楽。

 ここから、作曲者は2つの組曲を作る予定だったらしい。誰か、このバレエ全曲版を録音してくれないものだろうか。

 「組曲」は以下の4曲。

  1.ソロモンの夢
  2.夜明けのベルキスの踊り
  3.戦いの踊り
  4.狂宴の踊り

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 ▲ G・サイモン指揮/フィルハーモニア管弦楽団

 1985年録音。

 この曲の存在を世に知らしめた記念すべき録音(当時はLPレコード)。

 「ローマ3部作」くらいしか聴いたことがなかったレスピーギに、こんなに面白い曲があるのかと驚き、繰り返し聴いたものだ。ちなみに、サイモンはこの手の「珍曲・秘曲」を数多く録音している指揮者。

 そうこうするうちに、吹奏楽のレパートリーとして完全に定着してしまったが、「松」や「祭」に比べれば演奏し易いということもあったと思う。

 サイモンは2曲目と3曲目を入れ替え。「戦いの踊り」の最後のホルンの延ばしの音をカット。終曲のテノール(歌)はトランペットで代用。

 ゴージャスでパワフル。粗い面もあるけれども、この未知の曲を録音するという意気込みが伝わってくるようだ。個人的にはこの演奏があれば十分。

 また、曲順については、このサイモン盤の並びの方が「緩-急-緩-急」となって、構成としてまとまりがいいのではなかろか。


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 ▲ 大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団

 2001年録音。

 日本では吹奏楽関係者を中心に人気が出てきた曲ではあるけれども、サイモン盤以外に新しい録音は出てこなかった。

 海外では人気が無いのか、あるいは、「ローマ3部作」があれば十分ということなのか。

 で、ようやく出た新録音がこれ(日本人絡みではあるけれども)。

 曲順はスコア通り、終曲はテノールの歌で。

 丁寧にまとめられていて、この演奏も中々いい。吹奏楽関係者が演奏の参考にするならばこちらかもしれない。

 ただ、せっかくのテノールは今ひとつ。


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 ▲ R・シャイー指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 2001年のヴァルトビューネ・コンサートのライブ録画。「戦いの踊り」がアンコールで演奏されています。 

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レスピーギ 交響詩「ローマの松」(ケルテス)

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 ■ O・レスピーギ作曲/交響詩「ローマの松」

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 ▲ I・ケルテス指揮/ロンドン交響楽団

 1968年録音。

 「アッピア街道」で盛り上げて帳尻を合わせるような、通り一辺倒の持って行き方ではない。

 終始、サウンドの美しさ、暖かさ、落ち着き、そして、『音楽』を感じさせてくれる。

 カラフルで速いテンポの「ボルゲーゼ荘の松」から、「カタコンブの松」の静寂へのコントラスト。トロンボーンなどで聖歌が奏されるクライマックスでも、決してオーバーになることはない。

 「アッピア街道」でも同じ。オケは鳴っているものの、力任せに聴き手をねじ伏せるようなことはしない。

 途中、金管楽器のテーマを抑えて、弦などの下降する音型を強調するところなども面白い。

 こんなに音楽的な曲だったのかと思わせてくれる演奏。

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レスピーギ 教会のステンドグラス(オーマンディ)

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 ■ O・レスピーギ作曲/交響的印象「教会のステンドグラス」

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 ▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団

 1964年録音。

 私がこの曲を最初に聴いたのは、サイモン&フィルハーモニア管によるCHANDOS盤。1984年録音で、当時はLPでした。

 この曲が(それなりに)知られるようになったのは、「ベルキス」と同様、このサイモン盤だったように思う。

 その後、色々な新録音も出たけれども、「やっぱり、これが一番」と今日に至るまで、それを聴き続けてきた。

 しかし、なんとオーマンディがサイモンよりも前、1968年に録音していたのだ。

 この録音をLPで見かけた記憶は無く、無名曲なので国内盤は出なかったのか、私が見落としていたのか。

 で、これがサイモンとは別格の素晴らしい演奏なのだ

 そもそも、オーマンディの「ローマ3部作」には定評があり、それを考えると悪いはずがない。

 サイモン盤はスケール感はあるものの、全体にぼやけた感じだったけれども、第1楽章の冒頭から各パートがクリアに、そしてカラフルに浮かび上がり、まさに「ステンドグラス」というタイトルに相応しい音楽。

 そして、弦楽器のサウンドの素晴らしさ。

 第2楽章の見事なトランペットのソロと最後の銅鑼。第4楽章のオルガンもバッチリ。両楽章の迫力についても申し分ない。

 この曲に興味のある人は是非!

 カップリングは「鳥」と「ローマ3部作」(「松」と「噴水」は2種)。オーマンディが「ベルキス」を録音していてくれれば...。

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ラフマニノフ(レスピーギ編) 音の絵(ロジェストヴェンスキー)

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 ■ S・ラフマニノフ作曲(O・レスピーギ編曲)/5つの「音の絵」

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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

 1990年録音。

 オケの鳴りもいいし、ティンパニや中低音の迫力もあり、聴かせてくれる。

 この管弦楽版はクセヴィツキーの依頼によるもので、ラフマニノフ自身が選曲を行って、曲のイメージレスピーギに伝えたらしい(原曲にタイトルは無し)。

  1.海とかもめ
  2.祭り
  3.葬送行進曲
  4.赤頭巾ちゃんと狼
  5.行進曲

 最も印象が強いのが1曲目の「海とかもめ」。

 冒頭、いきなり「怒りの日」が現れて、それがゆったりと繰り返される(波のように)。「死の島」にも似た陰鬱な雰囲気を持つ、いかにもラフマニノフらしい音楽。

 「葬送行進曲」のクライマックスは、鐘の音も鳴り、こちらはいかにもレスピーギらしい音がする。

 他の曲もそれなりに面白いけれども、1曲目ほどのインパクトは無く、最後の「行進曲」も組曲を締めるようなカタルシスは得られない。

 全体的に暗く陰気なのは、やっぱりラフマニノフだけれども、組曲としての盛り上がりは今一つといったところだろうか...。

 カップリングはブラームス作曲「弦楽四重奏曲第1番」のシェーンベルクによる管弦楽版。

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レスピーギ 交響詩「ローマの松」(カラヤン&BPOの大阪ライブ)

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 ■ O・レスピーギ作曲/交響詩「ローマの松」

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 ▲ H・V・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 1984年10月18日、ザ・シンフォニーホール(大阪)でのライブ録画。

 動きが小さいだけでなく、どこか弱々しく見え、1曲目ではアンサンブルが乱れる場面もある。

 こういう姿は『アンチ』(という名のファン?)からすれば恰好のネタかもしれない。

 しかし「アッピア街道の松」のエンディングへ向けて高揚する音楽。オーケストラを見据えた表情は、昔のように眼を閉じてカッコつけたりしていない(そんな余裕は無いのかもしれないが...)。

 そこに、カラヤン自身の『素』として、純粋に音楽に向き合う姿が見えたように感じ、胸が熱くなる思いがした。

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 そして演奏後の満面の笑顔。

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 あくまで『記録』としての映像かもしれないけれども、それだけではないものがあるのも間違いないと思う。

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 「アッピア街道…」のバンダ。最初のファンファーレは、よくあるようにトランペットで演奏。「他のパートは...」と思っていると、一瞬ではあるけれども、金管セクションの前列に「ニョキ」っと4本飛び出ているテナーホルン(?)が見えました。


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レスピーギ 12の旋法による変容(サイモン)

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 ■ O・レスピーギ作曲/12の旋法による変容(メタモルフォーゼ)

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 ▲ G・サイモン指揮/フィルハーモニア管弦楽団

 1985年録音。その昔、「ベルキス」のLPのB面に収録されていたのがこの曲。

 ボストン交響楽団の創立50周年のために、先日のN響アワーでも紹介されていた、クセビツキーの委嘱によって書かれた作品。

 主題と12の変奏から成る。

 「主題」は変ロ短調。弦楽器を中心とした重々しい音楽で開始され、いくつかのモチーフを含む。

 これがNHKのドキュメンタリー番組のテーマ音楽として使用され、一時的にではあるけれども知名度が上がったこともあった。

 以後、様々な変奏が繰り広げられるが、面白いのは第7変奏。様々なソロ楽器が交代にカデンツァを披露する。この部分は師匠のリムスキー=コルサコフ譲りだろうか。で、この変奏が中間地点となる。

 終曲は変ロ長調。金管楽器によって変形された主題が高らかに奏され、オルガンも加わったエンディング。

 3管の大編成ではあるけれども、ティンパニ以外の打楽器は銅鑼と鉄琴のみで、その使用も控え目。一般受けしそうな華やかさ、大衆性は少ない。

 しかし、外面的な効果に頼ることなく、上記のカデンツァなど、様々な音楽が次々と現れる面白さ。「ローマ3部作」や「ベルキス」とは異なった、落ち着いた、内向的と言ってもいいような、趣のある音楽を楽しむことができる。

 カップリングの「ベルキス」と合わせて、持っていて損はない1枚。

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 ちなみに、この曲にも吹奏楽版(山本教生編曲)がある。ただし第7変奏はカット...なのは当然として、参考音源を聴くと、エンディングにもカットがあるようだ。

 http://www.accord-publishing.jp/brass_b/gml5027.htm

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レスピーギ 交響詩「ローマの松」(アンセルメ)

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 ■ O・レスピーギ作曲/交響詩「ローマの松」

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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1963年録音。カップリングは「ローマの噴水」と「風変わりな店」(ロンドン交響楽団)。

 私が、この曲を最初に聴いたのはM・サージェント指揮によるLP。

 なぜこのレコードを選んだのかというと、レコード屋さんでたまたま目に付いたという以上のものは無かった思う。

 当時はネットなど無い時代。近所の小さなレコード屋さんへ出向いて、店頭に並んでいるものを買うというのが常だった。

 その次に聴いたのが、このアンセルメ盤(17センチLP盤)。

 で、驚いた。ぼやけたモノクロの世界から、一気に総天然色の風景が目の前に広がったようだった。

 1曲目、キラキラと輝く太陽の光がそそぐ、その色彩感。

 「カタコンブ」は場面の展開が見事だし、「ジャニコロ荘」のクラリネットも、ことさら弱音を強調することなく自然に吹いている。

 「アッピア街道」は大いに盛り上がるけれども、力ずくの『爆演系』ではない、節度がある。

 バンダはレスピーギの指定を尊重して(おそらく)円錐管系で演奏。ここらへんも「さすが」。

 この最初のファンファーレをミュートを付けたトランペットで吹かれると、ちょっとガッカリしてしまう(少なくとも録音では)。

 約50年前の録音。今に比べれば、オケは決して上手ではないけれども、それは問題ではない。自分にとってはこれがデフォルトで、今聴き返しても色褪せていない。

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