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ベートーヴェン 交響曲全集(デ・ブルゴスの映像)

BD

 ■ ベートーヴェン作曲/交響曲全集

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 ▲ ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮/デンマーク国立交響楽団

 1992年から1994年にかけてのライブ録画。

 デ・ブルゴスは1933年生まれのスペインの指揮者。読響の常任指揮者だった時もあったけれども、個人的には昔のファリャなどスペイン音楽の録音以外についてはさほど興味は無かった。

 で、オマケにも惹かれて買ったこの全集だけれども、これが素晴らしいのだ。

 ピリオド系を意識したような昨今流行りの快速系ではなく、『昔ながら』のベートーヴェン。慣習的な楽譜の改変もある。

 しかし、年寄り臭さのない、肩の力が抜けた、流れの良い瑞々しい音楽。作為的なところもない自然体。

 オーケストラの透明感のある暖かみのある響きもいい。

 何より、指揮者もオケもこの演奏を心から楽しんでいるように見える。

 オマケ(?)として「幻想交響曲」「アルプス交響曲」「アランフェス協奏曲(独奏:ペペ・ロメロ)」を収録。

 その「アルプス交響曲」が収録された(2014年1月)半年後に引退、そして6月11日に亡くなってしまうのだ。

 ベートーヴェンでは椅子に座ったまま指揮をしていたのだけれど、この「アルプス交響曲」では椅子は置かずに立ったまま、スコアも置かず暗譜で指揮をしている。

 見た目の姿は弱々しくも感じるけれども、その指揮は力強く、衰えなどは全く感じさせない。

 その晩年に、このような素晴らしいパートナーに巡り合えたデ・ブルゴスも幸せだったのではなかろうか。

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