チャイコフスキー マンフレッド交響曲(オーマンディ)
CD
■ チャイコフスキー作曲/マンフレッド交響曲
▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団
1976年録音。
この曲、「交響曲」というタイトルだけれども、番号付き6曲の交響曲とは別の路線の曲と考えていい。
終楽章終結部を別の形に置き換えて演奏されたり(いわゆる「原典版」)、カットが加えられることも多いけれど、このオーマンディ盤はカット無しの「完全全曲盤」。
ただしスコアには手が加えられていて、終楽章などでは木管パートが金管で補強されています(これは他の指揮者もやっている)。
第1楽章はちょっと食い足りない気もしたけれど、第2楽章はこのオケのテクニックの素晴らしさが際立つ。かと言って木管の速いパッセージなど、決してメカニカルになっていない所が素晴らしく、エンディングのヴァイオリン・ソロの駆け上がる音形など、見事に演奏されている。
第4楽章はオーケストラのサウンドで最後まで一気に持って行く。オルガンが入ってから後の終結部も妙に深刻ぶっていない所がいい。
元々大袈裟に書かれている音楽なので、それに輪をかけたような演出を加える演奏には正直辟易するけれど、そういう面でオーマンディは余計なことはせずに堂々と、むしろ響きの美しさを前面に出しており、とても楽しめた演奏。
| 固定リンク
コメント