ビゼー 劇付随音楽「アルルの女」(プラッソン)
CD
■ G・ビゼー作曲/劇付随音楽「アルルの女」
▲ M・プラッソン指揮/トゥールーズ・キャピタル管弦楽団
1985年録音。
2つの演奏会用組曲で親しまれている「アルルの女」。オリジナルは26人編成のオーケストラと合唱。
プラッソンはことさら小編成であることを強調することなく、優しく繊細な音楽を作っている。組曲では「アダージエット」として知られる曲も、音楽の流れが自然だ。
最初の前奏曲から、劇場的な雰囲気が濃く感じられ、フル・オーケストラによる組曲版とは異なった魅力がある。
編成に無いはずのハープが加わったりしているので、原典版そのままの演奏ではないようだ。
短いメロドラマ(劇の台詞のバックに付けられた音楽)も多く、オペラの様に全体が1つの音楽作品としてまとまっている訳ではないのだけれど、それでも、1曲1曲の魅力は大きい。
組曲では「カリヨン」や「ファランドール」で華やかに終わるけれども、原典版は戯曲のストーリー通りに悲劇的なエンディングになっている。
また、組曲版を知っていればさらに興味深く聴けると思う(特にギローが編曲した第2組曲)。
「パストラーレ」の中間部は原典版ではコーラスによって歌われる。また「ファランドール」は、ビゼーのモチーフを展開させて見事な作品に仕立て上げてた、ギローの腕の素晴らしさを感じる。
ちなみに、「美しきペルトの娘」からの流用であるフルートのソロで有名な「メヌエット」は、当然ながら含まれていません。
組曲版のCDを何種類か持つのであれば、その中の1枚に是非。
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