サン=サーンス 英雄行進曲(デュトワ)
CD
■ C・サン=サーンス作曲/英雄行進曲
▲ C・デュトワ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1980年録音。
その昔、大学時代に吹奏楽でこの曲を演奏したことがあるのだけれど、正直、その練習は退屈極まりなかった。
金管や打楽器が派手に鳴るわけでもなし、どこが面白いのか全く分からず、欠伸をこらえながら休みの小節を指折って数えていた。
今でも、その当時のツライ思い出(?)は忘れられないのだけれども、この曲のイメージを一変させてくれたのが、このデュトワの録音。
もう、全く別の音楽。学生時代の、あのグダグダ感は何だったのだ...もちろん、この曲の良さが分からなかった自分自身の問題なのだけれども...。
軽快で、また気品のある主部もさることながら、やはり中間部。
3拍子に変わり、主部のテーマの断片をバックにトロンボーンのソロが旋律を歌う。こんな素晴らしいトロンボーンのソロがある管弦楽曲も他には少ない。
後半は再現部となるけれども、この中間部のおかげで、この曲が単なる『行進の音楽』ではなく、一編の『音詩(交響詩)』のような趣きさえ感じられるのだ。
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