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マーラー 交響曲第1番「巨人」(テンシュテット&CSOの映像)

DVD

 ■ G・マーラー作曲/交響曲第1番「巨人」

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 ▲ K・テンシュテット指揮/シカゴ交響楽団

 1990年のライブ録画。

 CDでも発売されていて名盤と定評のある演奏の映像版。LD時代から有名な映像ソフト。

 ハーセス(トランペット)、クレヴェンジャー(ホルン)をトップに据えた金管セクションは強力で、押しても引いても微動だにしない。終楽章のコーダでは、横一列に並んだ8本のホルンが起立して演奏。

 この時、ハーセス(1921年生まれ)は70歳目前。それで、この曲を(アシスタントを付けずに)1人で吹き切ってしまう。おそるべし。

 しかしながら、最大の見ものは、やはりテンシュテットの指揮。

 おそらく『職人的』に曲を作るというのとは最もかけ離れたところにあり、それでこれだけのレベルの演奏ができるのは、やはりシカゴ響という機能的にきわめて優れているオケだからこそか(下手すれば崩壊してもおかしくないような)。

 そして、パワーで押す『迫力』のある部分よりも、例えば第3楽章がここまで痛切に感じられたことはないし(ハーセスのプレイが光る)、第4楽章第2主題も素晴らしい。

 テンシュテットはどこか影を感じさせる、落ち着きのなさ、不安、強迫感...これはマーラーの音楽そのもののような気もするけれども、自信の病気(=死)と結び付けてしまうのは短絡過ぎるだろうか。

 ただ、演奏後の「ブラボー」の声は明らかに映像とずれていて、(映像ソフトとしては)ちょっといただけない。

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