ストラヴィンスキー 春の祭典(ラトルの映像)
BD
■ I・ストラヴィンスキー作曲/バレエ音楽「春の祭典」
▲ S・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2009年、ヴァルトビューネ野外コンサートでのライブ録画。
観る前に思ったのは、何で野外コンサートで「春の祭典」なのか...聴きに来た人だって、もっと『楽しい』『軽い』曲を期待しているのではなかろうか...??
前半のプログラムは「くるみ割り人形」からとラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。
そして、このコンサートの最中、雨が降ってくるのだ。遠くでは雷が光っている。
やがて、音を立ててザーザーと降る雨の中、傘をさしたり、シートをかぶったり、ざわついている観客。
その中から「春の祭典」冒頭のファゴットのソロがゆっくりと始まる。それが、何とこの場面にフィットしていることか!
悪天候の中、屋外で正に『自然』を感じながら聴く「春の祭典」...そのシチュエーション全てがコンサートの演出のようにさえ感じられる。さらには、観客のいる広場がバレエのステージとなったような感さえある。
雨はもちろん想定外だろうけれども、野外での「春の祭典」というのも実は考えられた選曲だったのかもしれない。この曲は、コンサートホールで演奏される、単なる音(リズム)の遊びではないのだ。
そしてアンコールで演奏された、チャイコフスキー「くるみ割り人形」からの「アダージオ」(「パ・ド・ドゥ」から)。このロマンチックな音楽でこれまでの緊張感を解き、『自然』から『人間』の世界に引き戻され、いかにも野外コンサートらしい幸せな気分にしてくれる。
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