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ショスタコーヴィチ チェロ協奏曲第2番(ノラス)

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/チェロ協奏曲第2番

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 ▲ A・ノラス(チェロ)/A・ラシライネン指揮/ノルウエー放送管弦楽団

 1997年録音。

 ショスタコーヴィチはチェロ協奏曲を2曲作曲していて、この「第2番」は作曲者60歳の記念演奏会のために書かれたもので、このとき、ショスタコーヴィチの健康状態は極めて悪かったとのこと。

 楽器編成は弦と木管、金管は2本のホルンのみ、それに多くの種類の打楽器が加わり、この打楽器群は『音量』的な効果よりも、完全にソロ・アンサンブル楽器としての扱いを受けていて、全曲で非常に重要な役割を担っている。

 「第1番」は割りと正統路線だったけれど、この曲は謎めいた独特の雰囲気を持っていて、前にも書いた打楽器の使用法、何度も繰り返される「D-Es-C-H」に基いたモチーフ、様々な引用(ムソルグスキーの「ボリス…」、自作の第4交響曲、彼の母親が歌っていたという歌)、そして、終結部の打楽器アンサンブル(これは第4交響曲で用いられ、第15交響曲の終結部にも現れる)。

 自身の「第15交響曲」に近いものを感じ、当時の健康状態から『死』というものがちらついていたのではないか、そんな気もする。

 初演者ロストロポーヴィチの録音もあるけれど、このノラスのチェロは、いわゆる『熱演型』ではないけれど、落ち着いた雰囲気でこの曲の美しさを引き出していて、ある種の余裕みたいなものも感じる。

 バックのオケも大健闘。ラシライネンは知る人ぞ知るノルウェーの名指揮者。

 第1番(こちらもいいです)とのカップリングで1000円(国内盤)は、相当にお買い得です。

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