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ドヴォルザーク 交響曲第7番(クーベリック&バイエルン放送響)

CD&DVD

 以下の3つが同じ日の録音であるかは不明ですが基本路線は同じです。また、各楽章の演奏時間もほぼ同じ。

 ■ A・ドヴォルザーク作曲/交響曲第7番

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 ▲ R・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団

 1978年4月2日、ミュンヘンでのライブ録音。拍手付。

 ドヴォルザークのシンフォニーでは第9番と第8番がダントツの人気(演奏頻度)であるけれども、この第7番は...

 少なくとも第3楽章は前2者に負けていないと思うけど、他の3つの楽章は(いわゆる)『民俗的』な雰囲気は薄く、単純にメロディとしての魅力が今ひとつなのが人気の薄い所以だろうか。

 クーベリックでは強力なベルリン・フィル盤(DG)があって、このバイエルン盤はライブではあるものの、録音のせいもあってか随分とソフトなサウンドで、表現の大きさはさすがに素晴らしいけど、重厚なサウンド(特に金管、ティンパニ)でガッツリ聴こうとすると、やや物足りない。

 しかし...

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 ▲ R・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団

 "FIRST CLASSICS" というレーベルから出ている非正規盤(いわゆる海賊盤)。録音データの記載は無し。

 各楽章の演奏時間を比べてみると、おそらく上記の正規盤(Orfeo)と同じ演奏だと思われるのだけれども、改めて聴いてみてびっくり。正規盤と『音』が全然違うのだ。この手(録音)の話には無頓着な私が聴いても全く違う。

 クリアでリアルで生々しく、そして迫力がある。これならば全くOKで、上に書いたような不満は感じない。

 ただ、会場のノイズ(ざわめき)が大きく入っていたり(これは正規盤では聞こえない)、バランスが良くなかったり(弦楽器が前面に出ている)はする。

 しかし音がガンガン飛んでくるので、全然気にならない。

 正規盤は、おそらく『商品』としてリリースするには「問題有り」と判断して修正したのだろうか、こうまで印象が変わってしまうとは驚き。

 まとまりということでは当然BPO盤(DG)なのだけれども、第3楽章の冒頭だって「合わせる」だけならいくらでも合わせられるだろうし、第4楽章の第1主題も相当にスリリング。

 決して予定調和でない、指揮者と演奏家によって正にその場で音楽が生まれている、そういった魅力がある。

 【映像】

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 ▲ R・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団

 1978年、コンサートでのライブ録音。

 録音年は同じだけれども、Orfeo から出ているライブ録音盤と同一かは不明。

 クーベリックの指揮は決して見てくれのカッコ良さは無い、それは音楽についても同じ。

 単にオーケストラのアンサンブルを整えるということではない。全ての音に自分の気持ち、生命を吹き込む。

 この汗だくになっての熱演を観ると、ありきたりではあるけれども『ライブの人』なのかという思いを強く持つ。名演!!

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