プロコフィエフ 交響組曲「1941年」
CD
■ S・プロコフィエフ作曲/交響組曲「1941年」
以下の3楽章から成る組曲。
1.戦闘の中で
2.夜に
3.人類の親和のために
1941年に勃発した独ソ戦争を背景とした曲。
▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/ソビエト文化省管弦楽団
1985年録音。
第1楽章では激しく打ち込まれる打楽器や、アクの強い金管楽器。曲が曲だけに、深く考えない、ひたすら突き進む、この手の演奏がピッタリだと思う。
いかにも社会主義的な題材ではあるけれども、プロコフィエフのモダンな音楽と、求められているものとのギャップ、それが「反人民的」「形式主義的」という『批判』につながったのだろうか。
さすがに第2楽章はもっと繊細さがほしい。
第3楽章は同時期に作曲された「シンデレラ」を思わせるような音楽。ニ長調のエンディングはかなり強引にまとめた感もある。
何はともあれ、珍しい曲であるのは間違いなく、それをこの最強(最凶?)コンビが録音してくれたのは嬉しい限り。
▲ A・ティトフ指揮/サンクトペテルブルグ交響楽団(?)
第2次世界大戦にまつわるプロコフィエフ作品を集めた "Echoes of Dark Years" というアルバム。
オーケストラ名の記載が無いのだけれども、調べてみるとドミトリエフの指揮で来日したり録音がある、いわゆる「第2オケ」らしい。
演奏はとてもよくまとまっていて、金管楽器の迫力も十分(さすがロシアのオケ)。
ただ、残念なことにティンパニの音が弱過ぎて、ロジェストヴェンスキー盤と比べると物足りないことこの上ない(特に第1楽章)。
▲ T・クチャル指揮/ウクライナ国立交響楽団
1995年録音。過不足なくまとめられた演奏。遅めのテンポで進められる終楽章がいい。
入手し易さも含めて、ファースト・チョイスとして問題なし。
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