ストラヴィンスキー 春の祭典(マゼール&VPO)
CD
■ I・ストラヴィンスキー作曲/バレエ音楽「春の祭典」
▲ L・マゼール指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1974年録音。
この頃のマゼールは、何をしでかすか分からない面白さがある。
第1部「春の輪舞」は最初こそやや速めのテンポで始まるものの、トゥッティになってからはテンポを遅め、これでもかとばかりにリズムを引っ張って大見得を切る。
第2部「いけにえへの讃美」の1小節前の4分の11拍子は、何の予備情報も無しにこの演奏を聴いたら、間違いなくひっくり返るだろう。
「長老の行列」でのテナー・チューバの表情の付け方なども、その場の思い付きではないかと思ってしまったりもするけれど、とにかく刺激的なのは間違いない。
しかし、40歳ちょっとで、ウィーン・フィルを振って、こんな強烈な(アクの強い)「春の祭典」を演奏するなんて、やはり只者ではない。
ちなみに、カップリングはイスラエル・フィルを振った「ペトルーシュカ」。
こちらは「春の祭典」よりも、さらに若い1961年(頃)の録音。原典版での演奏。
ここでもマゼールは冴えていて、「春の祭典」のような奇抜さは無いけれども、熱気に溢れ、特に第1場、第4場は溌剌とした前へ前へと進む音楽が素晴らしい。ピアノはちょっと引っ込んだ感じ(あくまでオケの中の1パート)。
しかし、これがアンセルメ盤のたった4年後の録音というのも、何やら感慨深いものがある。
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