オッフェンバック 「美しきエレーヌ」序曲
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■ J・オッフェンバック作曲/喜歌劇「美しきエレーヌ」序曲
オッフェンバックの序曲というと「天国と地獄」がダントツで有名だけれども、これは最後のカンカン(「♪カステラ一番・・・」)の部分によるものだろう。
この「美しきエレーヌ」序曲はそれに負けない名曲だと思う。
ワルツ(楽譜上は4分の6拍子)は、ロザンタール編曲のバレエ音楽「パリの喜び」の中で流用されていて、また、そのワルツから最後のギャロップへの移行は何とも洒落ている。
▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
1960年録音。フランス序曲集。
昔も今もこの手の曲はアンセルメで決まり。透明感のある明るいサウンド。ワルツの軽いリズム。華やかだけれど結構ラフな金管楽器。このコンビだからこそのもので、誰も真似のしようがない。
▲ P・パレー指揮/デトロイト交響楽団
1959年録音。フランスのマーチ&序曲集。
キビキビとした運び。各場面のコントラストをハッキリつけた語り口の上手い演奏で、これもとてもいい。アンセルメが都会のオペラ・ハウスならば、こちらは田舎の芝居小屋の雰囲気。
▲ H・シェルヘン指揮/ウィーン国立歌劇場管弦楽団
録音年不明。オッフェンバックとスッペの序曲集。スッペの方はルーデル指揮。
こちらは遅いテンポでじっくりと曲を作っていて、コンサート風。弱音で奏されるワルツは独特の雰囲気を持っている。リズムは2拍目に重心がかかり、機械的にならないところも含めて、所謂『ウィーン風』。アンセルメ盤と聴き比べてみると面白い。
▲ N・ヤルヴィ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
2015年録音。
ヤルヴィ(@父)の録音ということでイケイケ系かと思いきや、これが意外に繊細で洗練された味わいがある。オケのサウンドも明るく華やかさがあり、泥臭くならない洒落た雰囲気。同じオケでも(時代が違うためか)アンセルメ盤とは異なる味わい。とてもいいです。
▲ B・ヴァイル指揮/ウィーン交響楽団
1992年録音。
ヴァイルというと古楽器オケを指揮した録音の印象が強い。ただ、このオッフェンバックは丁寧に手堅くまとめてはいるけれども、それ以上の魅力は感じられない。
【全曲盤(映像)】
▲ M・ミンコフスキ指揮/ルーヴル音楽隊・合唱団
2000年、パリ・シャトレ座でのライブ録画。
とにかく、これが滅法面白い。必見!
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