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ビゼー 「カルメン」組曲(アンセルメ)

CD

 ■ G・ビゼー作曲/「カルメン」組曲

 Ansermet

 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1959年録音。

 ホフマン編曲版の2つの組曲から、「セギディーリャ」「闘牛士の歌」以外を収録(曲順は一部変更)。

 まずは第1幕前奏曲(組曲版の「闘牛士」)。やっぱり「カルメン」はこの音楽で始まってほしい。

 硬質のキラキラとしたサウンドで、音そのものは軽いのだけれども、リズムは意外にシッカリと刻まれている。

 前奏曲の後半部も骨太の響きがする。

 「アラゴネーズ」のクライマックスでは思い切り音を引き伸ばす。その後のタンバリンのリズムが遅れてヒヤヒヤする(汗)...ちなみに、タンバリンは最後の「ジプシーの踊り」でも危なっかしい。

 「アルカラの竜騎兵」はバソンの響き。

 「ハバネラ」の歌い回し、ちょっとしたルバートが洒落ている。

 「ジプシーの踊り」のトランペットは軽やかなリズムの上にゆったりと歌い、最後は見得を切るようなハイトーン。

 テクニック的には色々あるにしても、独特のサウンドと、聴かせ上手な演出が楽しめる。

 これに比べると、デュトワ盤などは上手いのは間違いないにしても、特に歌のナンバーなどは『譜面通り』感が強くて、今ひとつ物足りない。

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