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フチーク作品集(ノイマン&チェコ・フィル)

CD&DVD

 チェコの作曲家、フチークのオーケストラ作品集。

 古い世代の吹奏楽関係者にとって、フチークと言えば「雷鳴と稲妻」というサーカス・マーチの作曲者。A5版の小さな譜面を使って、当時は猛烈な勢いで演奏したものだ。

 そんなこともあって、何となく「アメリカの作曲家」という印象があったのだけれども、実際はチェコのプラハ生まれ、ドヴォルザークに師事したこともある人。チェコではJ・シュトラウスやスーザのようなポジションで人気があるらしい。

 「雷鳴と稲妻」の原曲である行進曲「剣士の入場」と並んで知られているのが「フローレンス行進曲(フロレンティナー)」。イタリアのフローレンス(フィレンツェ)の印象を音楽にした、行進曲風音詩。吹奏楽のレパートリーとして録音も多い名曲。

 チェコの名指揮者、ヴァーツラフ・ノイマン指揮による映像ソフトとCD。

 ■ J・フチーク作曲/行進曲とワルツ集

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 ▲ V・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

 1986年。スメタナ・ホールでの録画。

 ただし、客席に人は入っていないので、演奏会のライブではありません。

 ドヴォルザーク(「野鳩」)とヤナーチェク(「タラス・ブーリバ」)の特典として収録されている映像だけれど、やはり、こちらの方に目が行ってしまう。

 収録曲は以下の通り。

  1.行進曲「剣士の入場」
  2.ワルツ「ドナウの歌」
  3.序曲「マリナレーラ」
  4.行進曲「陽気な村の鍛冶屋」
  5.ワルツ「冬の嵐」
  6.フローレンス行進曲

 「1」と「6」は吹奏楽でもよく演奏され、特に「1」などは快速演奏の「サーカス・マーチ」の印象も強いけれど、まさしくオリジナルの『本場物』。

 素朴な雰囲気のある演奏で、また、弦楽器が旋律を受け持つと、吹奏楽にはない味わいがある。

 オケのメンバーにはケイマル(@トランペット)、ティルシャル(@ホルン)の顔が見え、「6」ではケイマル氏が活躍します。


 ■ J・フチーク作曲/管弦楽作品集

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 ▲ V・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

 1973年頃の録音。

  1.フローレンス行進曲
  2.序曲「マリナレーラ」
  3.ワルツ「ドナウの歌」
  4.行進曲「剣士の入場」
  5.年老いた熊
  6.ワルツ「冬の嵐」
  7.行進曲「ヘルツェゴビナ」

 上の映像版とは若干選曲が異なる。「5」はファゴットソロとオーケストラのためのユーモラスな作品(ポルカ)。

 落ち着いた渋いサウンドで、ローカルな味わいがある演奏。

 こちらはヤルヴィ(@父)による新しい録音。

 ■ J・フチーク作曲/管弦楽作品集

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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

 2015年録音。

 明るく楽しく、収録曲も多く、ローカルな味わいを求めなければ文句なく楽しめる1枚。

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