イベール 交響組曲「パリ」
CD
■ J・イベール作曲/交響組曲「パリ」
パリの様々な情景を描写した6曲から成る組曲。ジュール・ロマンの戯曲「ドノゴー」の付随音楽をベースにしている。
1.地下鉄
2.郊外
3.パリのイスラム寺院
4.ブローニュの森のレストラン
5.旅客船「イル・ド・フランス」
6.祭りの行列
オケは小編成だけれども、ピアノとたくさんの打楽器が加わる。
タイトルは「交響組曲」と仰々しいけれども、演奏時間は各曲長くても3分ちょっと、全体でも15分かからない。本格ドラマではなく、ショート・ムービーのオムニバス風。
「1」はタイトル通り駅を出発して走る地下鉄の描写。アルト・サックスが活躍する「4」の洒落たワルツ。「6」は同じ作曲家の「喜遊曲」を思わせるような賑やかな音楽。「3」は殆ど全編オーボエのソロ(「寄港地」の第2楽章のよう)。
理屈抜きに楽しめる組曲。録音の数が少ないのが残念。
▲ C・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団
1992年録音。
この曲の録音は数少ないけれども、デュトワ盤があるので一安心。とりあえず、これを聴いておけばOK。
▲ N・ヤルヴィ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
2015年録音。ヤルヴィ(@父)もついにフランス音楽まで進出。でも、オケがスイス・ロマンド管であるのがミソ。
デュトワよりもさらに描写的で、1曲1曲面白く聴ける。オケのサウンド(管楽器ではトロンボーン)も◎。
ただ、4曲目のワルツは急ぎ過ぎだろうか。ちょっと落ち着かない。
▲ Y・テミルカーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団
1980年ライブ録音。
ソビエト時代にこの曲をコンサートで取り上げてるという意欲は素晴らしい。そして、演奏は...
地下鉄は脱線寸前。朝8時の時計(鐘?)は音を外す。
「4」はデュトワ盤と同じ曲とは到底思えない。「6」のコーダはほとんどヤケクソ気味のトロンボーンのグリッサンド。
この曲のタイトルは「パリ」ということをお忘れでしょうか>テミルカーノフさん。
しかしながら、ある意味『期待通り』の(珍?)演奏。当然、一般人にはオススメできません。
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