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シューマン ヴァイオリン協奏曲(I・ファウストの映像)

DVD

 ■ R・シューマン作曲/ヴァイオリン協奏曲

 1853年、作曲者の晩年に作曲されたものの、遺族によって演奏を禁じられていたという曲。

 発掘されて初演されたのは、作曲から80年以上経った1937年。

 3連音符の刻みの上に提示される第1楽章の第1主題は切迫感がある。

 第2楽章では、シューマンがライン川に身投げをしたときに作曲していたピアノ曲のメロディ(いわゆる「天使の主題」)に似たモチーフが使われる。

 第3楽章はポロネーズのリズムを持つ4分の3拍子。

 この楽章のシューマンのテンポ指定は「四分音符=66」で非常に遅い。演奏者によっては速めのテンポを取る場合もあるけれども、指定通りの場合とで演奏時間はかなり異なる。

 その第3楽章は(第1楽章も)ドラマチックな展開も、大きく高揚することなく、アッサリと終ってしまう。バッハやヴィヴァルディのバロック時代の協奏曲のようでもあるけれど、同じところをずっとぐるぐると徘徊しているような閉塞感も感じてしまう。

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 エンディング(↑)も風変わりで、オーケストラが和音を引き延ばしているのに、独奏は8分音符で短く終わってしまう。ここも、オーケストラと一緒に音を伸ばしている演奏もある。

 実際に演奏すると難しいのかもしれないけれど、独奏が華やかなテクニックを披露するところもカデンツァもない『地味な』作品。でも、聴くにつれて魅力を感じる曲でもある。


 

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 ▲ イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)/P・ヘラス・カサド指揮/フライブルグ・バロック管弦楽団

 2014年、ベルリンでのライブ録画。

 ベートーヴェンやブラームスなどとは全く比べることもできないけれども、最近は録音の数も増えてきているようで、そして、このファウスト盤には『ボーナス』として映像も収録されている。

 指揮のヘラス=カサドはスペインの若手指揮者。ピリオド楽器によるオーケストラを率いて力強い演奏を聴かせてくれます。

 テンポはスコアの指定に近く、速めのテンポを取っているJ・ベル盤と比べると、演奏時間は以下の通り。第3楽章は2分半近く短い。

 【演奏時間】
  ファウスト 15:11/5:23/11:38
  ベル 13:29/5:55/8:14


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 ▲ ジョシア・ベル(ヴァイオリン)/ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団

 1994年録音。第3楽章は速目のテンポ。終結部はオーケストラと一緒に音を伸ばしています。

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