プッチーニ オペラ「トゥーランドット」(シャイーの映像)
BD
■ G・プッチーニ作曲/オペラ「トゥーランドット」
▲ R・シャイー指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
2015年のライブ録画。
演出はレーンホフ。国籍不明の、いわゆる『近未来風』の舞台。
民衆(?)は仮面をかぶり、最初に登場する役人はマジシャン風。盲目となったティムール(@カラフの父)はサングラスをかけて登場。
第1幕ではトゥーランドットが登場せずに、代わりに皇帝アルトゥーム(@トゥーランドットの父)が姿を現す。ちなみに、上の写真で中央の白い人物が皇帝で、下の黒い人物がトゥーランドット。
そうすると、カラフが謎解きに挑戦する動機は何なのか。つまり、カラフがトゥーランドットの美しさに一目惚れして...というオリジナルの設定は成り立たなくなる。
どうも「皇帝率いる悪の組織 vs. 正義の味方カラフ」という図式に見える。
事実、第2幕後半の謎解きの場面ではカラフに対決姿勢(敵意)が感じられ、謎を解き終わった後は「どうだ、参ったか!」とばかりだ。
そして、一般的なアルファーノ版によるエンディングは、指揮のシャイー自身が委嘱したベリオ版を使用。
このベリオ版、アルファーノ版で使用されている素材も使ってはいるけれど、「めでたし、めでたし」のド派手な大団円とはならずに、自害したリューの亡骸を前にニ重唱が歌われ、最後は扉の向こうに二人で去っていき、音楽も静かに終わる。
決して『現代音楽』風のものではないので、木に竹を接いだような違和感は感じないし、これはこれでなかなか面白く聴ける。
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