チャイコフスキー バレエ音楽「くるみ割り人形」(ラトル)
CD
■ P・チャイコフスキー作曲/バレエ音楽「くるみ割り人形」(全曲)
▲ S・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2009年録音。第1幕はセッション録音、第2幕はライブ録音。
インタビューからも伺えるように、ラトルが興味を持っているのは、あくまでこの曲のスコアであって、その向こう側ではないのではなかろうか。そこらへんが、ロシア系の指揮者とは違うところで、例えば、ラトルが今後「白鳥の湖」を録音するとはちょっと想像がつかない。
インタビューでは「ペトルーシュカ」を引き合いに出していて、要はそちら側からのアプローチ。ラトル流の音楽と、ベルリン・フィルの演奏(テクニック)を楽しむCDと思う。
「雪片のワルツ」の合唱は「リベラ(LIBERA)」というグループが担当。ただし、オーケストラとは別録音で編集時に合成されたもの。
この選択がレコード会社の意向か、指揮者の意向かは分からないけれども、透明感はあるけれど、妙に人間臭さの無い、シンセサイザーの演奏のようにも聞こえる。でも、この演奏には相応しいかもしれない。
何はともあれ、この曲は他に選択肢は沢山あるのだから、こうやって独自路線を打ち出してくれた方が嬉しい。
【特典DVD】
国内盤には特典DVDが付いていて、ラトルへのインタビュー(20分、日本語字幕付き)と、コンサートのライブ映像(30分)が収録されています。
演奏の方は2009年のジルヴェスター・コンサートから。
第2幕のディヴェルスマン、花のワルツ、パ・ド・ドゥ(冊子には記載されていないけれども「アダージオ」も収録)、終幕のワルツとアポテオーズ。一部の曲のカットはあるものの、(第2幕の)有名曲は全て網羅していて、とても充実した内容。
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