コープランド クラリネット協奏曲
CD
■ A・コープランド作曲/クラリネット協奏曲
▲ R・ストルツマン(クラリネット)/ローレンス・レイトン・スミス指揮/ロンドン交響楽団
1987年録音。
B・グッドマンの委嘱で書かれ、長いカデンツァを間に挟んだ2つの部分から成る。オケは弦5部とハープ、ピアノ。
スローな前半部では、ストルツマン独特のヴィブラートをかけた音と、歌い回しを聴くことができる。
ただ、聴きものは何と言ってもカデンツァ以後。
基本、8分音符が並んでいるだけの楽譜なのだけれども、まさに変幻自在、ジャズ的な雰囲気も取り入れて、完全に音楽を自分のものにし、自分の世界を作っている。
難しい部分も多々あるのだけれども、それも余裕綽々に聞こえてしまうところがまたスゴイ。
カップリングはコリリアーノ作曲の「クラリネット協奏曲」とバーンスタイン作曲の「プレリュード、フーガとリフ」。
▲ ザビーネ・マイヤー(クラリネット)/インゴ・メッツマッハー指揮/バンベルグ交響楽団
1997年録音。ドイツ勢による演奏。
吹き崩すことなくキッチリと演奏しつつ(それでツマラナイということではない)、部分的にはスウィング風にリズムを揺らしているけれども、ストルツマンの様に即興的な感じは無い。
伴奏も含めて、素直にこの曲を楽しめる演奏。
下はこの曲の最後のページ。
ソロ・クラリネットは3オクターヴ半下降して、今度は2オクターブ半駆け上がる。
「ベニー・グッドマンに捧ぐ(Homage to Benny Goodman)」というアルバムに収録。
曲によって、兄上のヴォルフガング・マイヤーとソロを分担している。
▲ D・シフリン(クラリネット)/G・シュワルツ指揮/ニューヨーク・チェンバー・シンフォニー。
本当にきっちりと譜面通りに演奏した、クラシカルな雰囲気の演奏。
前半はとてもいい。リリカルであり、その中にそこはかとない寂しさも感じさせる。
ただ、カデンツァ以後、後半部は生真面目な感じがして、ここはさすがに『遊び』が欲しい。
▲ B・グッドマン(クラリネット)/A・コープランド指揮/コロンビア・シンフォニー・ストリングス
1963年録音。この曲の委嘱者で初演者のベニー・グッドマンのクラリネットと、作曲者自身の指揮による「決定盤」。
後半部など、決して『らしさ』を強調することは無いのだけれども、自然とにじみ出てくる味わいがある。この曲を聴くのなら外せない録音。
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