ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第4番
CD
■ R・ヴォーン・ウィリアムズ作曲/交響曲第4番
「海」「ロンドン」「田園」と続いて、最初の表題無しの交響曲。曲想も前3曲のような親しみやすさ、イギリス的な情感は全くない、『辛口』の音楽。
冒頭からいきなり不協和音が炸裂、その激しく緊迫した雰囲気は、終楽章でのフーガによるエピローグまで続く。
第1楽章でひとしきり荒れ狂った後のに訪れるレントの静けさ(終楽章で再現する)も、印象的。長調と短調の間を揺れ動きつつ、第2楽章へと続く。
フーガ風の中間部を持つ第3楽章のスケルツォからアタッカで続く第4楽章は行進曲風に始まり、途中で第1楽章のレントを回想。
最後は第1楽章冒頭の音楽が回帰して、強烈な一撃で曲を閉じる。
▲ A・プレヴィン指揮/ロンドン交響楽団
若き日のプレヴィンによる交響曲全集から。
まずは第1楽章、鋭く切り込むオープニングから、ストレートに終始攻め立てる。何より音楽が分かり易く、とっつきにくさが無い。第2楽章はやや単調な感じがするけれど、第3楽章以後で盛り返す。
この全集の魅力は、フレッチャーの吹くRVWの「チューバ協奏曲」が収録されていることで、人によってはそちらがメインか。
▲ R・ノリントン指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
1997年録音。
この曲は最初は馴染めなかったのだけれども(RVWと言えば「イギ民」だったので)、何度か聴くうちにハマッてくる魅力がある。
ノリントンは「古楽器オケ」とか「ピュアトーン」というイメージがあるけれども、そういう先入観念を除いたところでの、見事な演奏。
漫然とスコアを音にするのではない、考えられ、曲が作り込まれている。第1楽章の第2主題、最後のレントから第2楽章へかけてが素晴らしく、遅めのテンポの第4楽章も独特の雰囲気を持っている。
交響曲第6番とのカップリング。
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