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エルガー エニグマ変奏曲(デュトワ)

CD

 ■ E・エルガー作曲/エニグマ(謎)変奏曲

 Elgar_dutoit

 ▲ C・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団

 エルガー作品の中で、「威風堂々」を除けば一番演奏機会が多い曲。主題と14の変奏から成り、各変奏はエルガー関係者を表現している。

 第1変奏はエルガーの奥さん(キャロライン・アリス・エルガー/C・A・E)、そしてフィナーレはエルガー自身(E・D・U=奥さんがエルガーを呼ぶときの愛称)で、その途中に第1変奏(つまり奥さんの)のテーマが回想されるところは、さすが愛妻家!

 第9変奏「ニムロッド」は単独で演奏されることもあり、A・リード編曲の吹奏楽版もある。この譜面を見たことはないけれども、某楽団の演奏会でこれを聴いたとき、クライマックスでシンバルが「ジャーン!」と鳴ってたまげた。

 第13変奏の途中、ティンパニを小太鼓(side drum)のスティックで叩くように指定されている部分があり、最初に聴いたとき「何の音だ?」と思った。

Enigma_1

 この変奏ではメンデルスゾーン作曲の「静かな海と楽しい航海」が引用されていて、このティンパニは「船のエンジンの音」という『説』もあるらしいけれど、「なるほど」と思わないでもない。

 ちなみに、これがエルガーの引用部分。

Elgar_2

 こちらはメンデルスゾーンの原曲(チェロ)。

 Elgar2

 デュトワのイギリス物は珍しいけれども、いつもながらの上品でソフトなサウンド、流れるような演奏。オケもよく鳴っているし、テンポの速い変奏の推進力もいい。

 「第7変奏」のティンパニは鮮やかでお見事。こういうところを『雰囲気』で流してしまわず、キッチリ合わせるところがさすが。

 カップリングは「ファルスタッフ」。

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