シューベルト 交響曲第7番「未完成」(ムラヴィンスキーのウィーン・ライブ)
CD
■ F・シューベルト作曲/交響曲第7番「未完成」
▲ E・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1978年6月、ウィーンでのライブ録音。
よくありがちな、甘くロマンチックな雰囲気とは真逆の「未完成」。
第1楽章冒頭、低弦とそれに続く弦楽器の刻みの最弱音からひたすら暗く、それは終結部の全く救いようのない絶望的なエンディングでとどめを刺す。ため息だけが聞こえてくるようだ。
弱音だけを強調するのではなく、提示部最後の弦楽器などは「p」指定にもかかわらず、大きめの音で豊かに旋律を歌わせている。
第2楽章の途中で何度か現れる全奏(トゥッティ)の部分も印象的で、ひたすら悲しみに暮れる、どこか諦めのようなものを感じる。
好き嫌いはともかく、他者が真似しようと思っても決して出来ない、このコンビでしか成し得ない演奏であるのは間違いない。
カップリングはショスタコーヴィチの「交響曲第5番」。
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