ショスタコーヴィチ ミケランジェロの詩による組曲(ムーティ)
CD
■ D・ショスタコーヴィチ作曲/ミケランジェロの詩による組曲
▲ R・ムーティ指揮/シカゴ交響楽団/I・アブドラザコフ(バス)
2012年録音。11曲から成る、作曲者最晩年の傑作。
オーケストラは多くの打楽器を含む2管編成。音楽の構成はシンプルだけれども、内容はとてつもなく深い。
ピアノ伴奏版もあるけれど、打楽器を多用するオーケストレーションなど(例えば第8曲「創造」のチャイムを含む打楽器による後奏部分)、明らかにオーケストラの響きを意識しているように感じる。
冒頭の2本のトランペットによるモチーフが第10曲で再現、ここで曲を締めるのかと思いきや、軽妙な第11曲(終曲)が始まる。エンディングは、弦楽器が嬰ヘ長調で刻むリズムがチェレスタをはさんで、最後はヴィブラフォンの余韻の上にハープが遠ざかる。
この構成は交響曲第14番「死者の歌」を思わせるけれども、印象的、かつ、大きな余韻を残す。
このムーティ盤は最近発売された録音。堂々とした貫録を感じさせてくれる演奏。オーケストラはパワフルで、勿論上手く、そこに『余裕』すら感じさせる。
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