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エルガー 交響曲第1番

CD

 ■ E・エルガー作曲/交響曲第1番

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 ▲ B・ハイティンク指揮/フィルハーモニア管弦楽団

 1983年録音。

 ハイティンクにしてみれば、いわゆる『お国物』ではなく、その分過剰な思い入れは除き、スコアを丁寧に音楽にしていて、そこがこの演奏のいいところだと思う。

 第1楽章の序奏、この交響曲のメイン・テーマが低音のリズムの上に奏される。どこまで続くか分からないような、ゆったりしたテンポとリズム。ここで完全に別の世界へ連れて行かれてしまう。

 メイン・テーマ。変イ長調であるけれども、最初の3つの音が「C-B♭-A♭(ミレド)」と下降するので、寂しげな雰囲気を漂わせる。

 このテーマは第1楽章の最後にも現れるけれども、ここでエルガーは弦楽器の「一番後ろのプルトだけで(Last desk only)」演奏するように指定していて、要は前面に出ることなく、遠くの方から聞こえてくるイメージだろう。

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 第1楽章は20分以上かかるけれども、ずーっと同じ風景を観ているような感じがする。第3楽章も同じで、終始内向きな音楽が延々と続く。ブルックナーのように途中で盛り上がることもない

 第2楽章は行進曲風スケルツォ。第3楽章の静かな内向的な音楽も美しい。

 そしてフィナーレ、最後に冒頭のテーマが最初は彼方から、やがて高らかに回帰して、ようやく行き先を見つけたように大団円へと向かってゆく。

 演奏時間は50分ちょっと。時間の浪費か、資源(五線紙・インク)の無駄遣いか...『効率第一』とはかけ離れた世界なのだ。


 イギリス人指揮による定盤としては...

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 ▲ J・バルビローリ指揮/フィルハーモニア管弦楽団

 1962年録音。


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 ▲ A・ボールト指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

 1976年録音。

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