ウォルトン 交響曲第1番(ハイティンク)
CD
■ W・ウォルトン作曲/交響曲第1番
▲ B・ハイティンク指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1981年録音。
ガッシリと重量感のある演奏。金管楽器の迫力も申し分無し。しかし、ホルンの鳴りは尋常ではない。
ハイティンクは実績の割には人気が突き抜けてこないようにも感じるけれど、このウォルトンは本当に素晴らしい。
『イギリスもの』という枠を超えた、ショスタコーヴィチにも匹敵するようなシリアスな交響曲として見事に演奏していて、テンポを遅目に取った第3楽章の『憂鬱な』表現も見事だし、終楽章冒頭もただ鳴らすだけではなく、コーダとの統一感を見事に保っている。
冒頭、繰り返される弦楽器の刻みのリズムの上に前進する音楽はシベリウスが思い浮かぶ。
氏の映画音楽系とは異なっているが、両端楽章はとにかくカッコイイ。30代前半のウォルトン、ひたすら押しまくり、『血気盛ん』という言葉がピッタリ来る。
終楽章のコーダからは2台のティンパニが加わり、最後は「どうだ!」とばかりのエンディング。ここの間(ま)もシベリウスだ。
そう頻繁に聴こうという気持ちにはなれない、高カロリーな音楽と演奏。
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