ヘンデル 王宮の花火の音楽
CD
■ ヘンデル作曲/王宮の花火の音楽
【管打楽器版】
初演時と同様に、管・打楽器のみによる演奏。
▲ T・ピノック指揮/イングリッシュ・コンサート
1996年録音。
ヘンデルが指定した人数による、ピリオド楽器(古楽器)での演奏。
楽器編成は下記の通り(カッコ内は人数)。総勢61名。
1 Oboe (12)/2 Oboe (8)/3 Oboe (4)
1 Bassoon (8)/2 Bassoon (4)/Contrabassoon (1)
1 Horn (3)/2 Horn (3)/3 Horn (3)
1 Trumpet (3)/2 Trumpet (3)/3 Trumpet (3)
Timpani (3)/Side Drum (3)
録音風景の写真が掲載されているけれども、体育館みたいな場所にズラッと並んだ奏者、にょきにょきと生えている12本のバスーンは壮観。
オーボエ24本などと聞くとゾッとするし、物量に任せた大雑把な演奏かと思いきや、意外にまとまりもあって、野外演奏的な大らかさを感じる。
また、祝祭的・イベント的な華やかさもあり、活き活きとした演奏はとてもいい。
▲ F・フェネル指揮/クリーヴランド・シンフォニック・ウィンズ
1978年録音。
クリーヴランド管弦楽団の管楽セクションによる演奏。
ホルスト作曲の組曲などとのカップリングで、吹奏楽関係者には有名なCD。
アンソニー・ベインズとチャールズ・マッケラスによる編曲版...と言っても、いわゆる『吹奏楽編成』への編曲ではなく、オリジナルの『縮小版』といった感じ。
各パートの人数は以下の通りで、オリジナルにはないフルート、トロンボーンなどが加わっている。
Flute/Piccolo 3
Oboe 8
Fagotto 7
Contra Fagotto
Contra Bass
Horn 5
Trumpet 6
Trombone 3
Timpani
Field Drum 3
Cymbal, Bass Drum
サウンドはあくまで『ウィンド・アンサンブル』、キッチリと生真面目。当然モダン楽器による演奏。
ゆったりとしたテンポで始まる「序曲」は、ピノック盤に比べると人数は少ないのだけれども、使用している楽器のせいもあるのか、とても重く感じる。
「序曲」の後半、"Lentemente" 以後をカット。「歓喜」「メヌエット」ではドラムだけでなく、大太鼓、シンバルも派手に加わる。
ピノック盤が出た今となってはやや分が悪い。
【管弦楽版】
弦楽器も加えた管弦楽編成による演奏。
▲ R・ノリントン指揮/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ
1996年録音。古楽器による演奏。
フレージングに癖があるけれども、速めのテンポによる軽快な音楽。スッキリした響きはとても心地よい。
▲ K・ミュンヒンガー指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団
1981年録音。
今ではすっかり古楽器(ピリオド楽器)が主流になってしまったけれど、その昔『バロック音楽』と言えばパイヤールとこのミュンヒンガー。
古楽器系の演奏で育った人からすれば、「古臭い」「時代遅れ」ということなってしまうのかもしれないけれども、暖かい、そして品のある音楽。やはり私にとっては必要なものだ。
【ハーティ編曲版】
以下の4曲を抜粋して編曲。
1.序曲
2.アラ・シチリアーナ
3.ブーレ
4.メヌエット
▲ A・プレヴィン指揮/ピッツバーグ交響楽団
1982年録音。
「序曲」で聴かれる優雅な音楽はモダン・オケならではのもので、バロック系の演奏とは別世界。なんだかエルガーなどのイギリス音楽を聴いているような気分になる。
こういう演奏でこそ、このハーティ編曲版を現代のオケで演奏する価値があるというもの。
▲ G・セル指揮/ロンドン交響楽団
1961年録音。
ゴージャスなサウンドで、情感たっぷりに、また繊細な部分もあり、何だかストコフスキーのバッハ編曲みたいで、厚化粧気味ではあるけれども、これはこれで面白い。
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