グラズノフ 交響曲第5番
CD
■ A・グラズノフ作曲/交響曲第5番
▲ N・ヤルヴィ指揮/バイエルン放送交響楽団
1983年録音。
堂々としたユニゾンによる第1楽章の冒頭はいい雰囲気。ブラームス、ドヴォルザーク、シューマン...色んな作曲家の影がチラつく。
第2楽章はメンデルスゾーン的スケルツォ。トリオはフルートやピッコロのメロディが可愛らしいけれども、間もなく20世紀を迎えようとしている時に、こんなに呑気でいいのかという気にもなってくる。
穏やかな第3楽章は正にアンダンテ(Andante)、一度浸かると出るのが億劫になるような心地良さ。
そして、民族舞曲風の賑やかなフィナーレはこの曲の最大の聴き所。この楽章から打楽器が加わるのはお約束。
しかし、エンディングの和音進行(B♭→E♭→B♭)がチャイコフスキーのピアノ協奏曲風なのには、ちょっと笑ってしまった(失礼)...せっかくいい雰囲気だったのに、最後の最後にこう来るとは。
▼グラズノフ作曲/交響曲第5番~第4楽章終結部
▼チャイコフスキー作曲/ピアノ協奏曲第1番~第1楽章終結部
ここはフツーに終わってもよかったんじゃないでしょうか>グラズノフ先生。
このヤルヴィ(@父)盤は、当然ながらロシア的な土臭さは無いけれども、フィナーレのコーダはケレン味たっぷりに、これでもかとばかりに豪快に盛り上げてくれる。
▲ E・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1979年6月8日、NHKホールでのライブ録音。
聞こえてくる拍手の距離感からすると、どうも客席で録音されたような印象を受ける。オケの音は遠目だし、バランスも良くない。
しかし、演奏については別格の素晴らしさ。確信に満ち、見事に統制され、作り上げられている。
初めてこの曲を聴く人に勧めることはないけれども、個人的にはこれ1枚あれば十分という気持ちにもなる。
▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団
1974年録音。フェドセーエフがこのオケの音楽監督に就任した年、このコンビがまだロシア的な土臭さを持っていた時期の録音。
テーマがユニゾンで奏される冒頭からして「おお!」と思わず声が出る荒々しい迫力。常にテヌート(sempre tenuto)で吹くトランペット、フィナーレは轟音を立てて爆走する。
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