フランク 呪われた狩人
CD
■ C・フランク作曲/交響詩「呪われた狩人」
フランク晩年に作曲された交響詩。安息日に教会のミサをサボって狩へ行った伯爵が呪われ、化け物に追いかけられて地獄へ堕ちる...というストーリー。
冒頭、鐘の音が響くミサの音楽に狩の合図のホルンがかぶさる。狩りの場面の開始部分でテーマを演奏するホルンがカッコイイ!
交響曲の印象から、フランクの音楽は『辛気臭い』というイメージが強いのだけれども、こういったテーマを取り上げているというのは、ちょっと意外な感じがする。
しかし、ストーリー付き描写音楽としてとても分かりやすく、かと言って通俗的に過ぎないドラマチックな音楽は、(個人的には)有名な「交響曲二短調」よりもはるかに楽しめる。
▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
1961年録音。
その昔、アンセルメ指揮の「交響曲ニ短調」(フランク)のLPレコードを買ったら、そのB面余白に入っていたのがこの曲で、交響曲の方はほとんど聴かずにこちらばかり聴いてた。
なので、このアンセルメの演奏が完全にデフォルトになってしまっているのだけれども、ツボを押さえた演奏で、このドラマを見事に描いていて、やっぱりこれに手が伸びる。
▲ M・プラッソン指揮/トゥールーズ・キャピトル管弦楽団
1994年、1995年録音。これもとてもいいです。
軽めで、より柔らかいサウンド。色彩感はあるけれども、アンセルメ盤よりは、より淡い色調。
印象的なのが鐘の妖しい音色で(アンセルメやミュンシュは通常のチューブラ・ベル)、前半では教会の鐘として、後半では弔いの(?)鐘のごとく鋭く強打される。
▲ C・ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団
1962年録音。
冒頭のホルンからハイ・テンション。迫力のある演奏だけれど、物語の起伏が今一つ感じられず、ちょっと一本調子の感もある。
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