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ヘンデル(ハーティ編曲) 水上の音楽

CD

 ■ ヘンデル作曲(ハーティ編曲)/組曲「水上の音楽」

 イギリスの作曲家、ハミルトン・ハーティによる編曲版による録音。

 ヘンデルのオリジナルは3つの組曲から成ります。

  第1組曲 ヘ長調
  第2組曲 ニ長調
  第3組曲 ト長調

 使用されている管楽器はそれぞれ異なり、第1組曲はオーボエとホルン、第2組曲ではそれにトランペットが加わり、第3楽章はフルートのみ。

 ちなみにハーティ版にはあるティンパニはオリジナルには入っていません。

 

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 ▲ G・セル指揮/ロンドン交響楽団

 1961年録音。第2曲「エア」の中間部にスコアの変更あり。

 私が若いころ、ヘンデルの「水上の音楽」といえば、このハーティ編曲版でした。

  1.アレグロ
  2.エア
  3.ブーレ
  4.ホーン・パイプ
  5.アンダンテ・エスプレッシーヴォ
  6.アレグロ・デチーソ

 終曲は第2組曲(ヘ長調)、それ以外の5曲は第1組曲(ニ長調)から。

 オリジナルを聴いたのはずいぶん後になってからのことだったけれど、聴き慣れていたせいか、やっぱりハーティ版はいいなぁ...。

 1曲目の開放的で爽快なホルン(オリジナルの2本を4本に増強)。終曲ではさらにトランペットが加わって華やかさを増す。

 ハーティの編曲は変に凝ることなく、モダン・オケによるヘンデルとして十分に楽しめる。「エア(Air)」の後半、テーマが弱音器付きのホルンのアンサンブルで演奏されるのも洒落ている。

 入手できる録音は少ないけれども、このセル盤、ロンドン響を振ってもセルはセル。見事に統率された素晴らしい演奏を聴かせてくれる。金管の明るいサウンドはイギリスのオケならでは。


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 ▲ A・プレヴィン指揮/ピッツバーグ交響楽団

 1982年録音。

 セル盤のような華やかでゴージャスな雰囲気よりも、品の良い、穏やかな演奏。

 特に、ゆったりとしたテンポで演奏される「エア」(第2曲)は、夏の夜に静かな水辺を散策するような趣があり、とてもいい雰囲気。

 カップリングの「王宮の花火の音楽」(ハーティ版)の優雅な「序曲」も、日暮れの寂しさを感じさせるような音楽で(エルガーなどにも通じるような)、こういうのは古楽器系の演奏では聴くことができない世界だ。

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