グラズノフ ステンカ・ラージン
CD
■ A・グラズノフ作曲/交響詩「ステンカ・ラージン」
作曲者20歳の時に作曲された交響詩。演奏時間15分。
有名なロシア民謡「ヴォルガの舟唄」の旋律が引用され、グラズノフの作品としてはとてもよくまとまっていて楽しめる。
▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団
1977年録音。
冒頭、チェロの刻みの上に、トロンボーンが「ヴォルガの舟歌」のメロディを奏する。ここからして、なにやら不穏な雰囲気が漂ってくる。
序奏部が無事終わると、テンポを速めた主部(Allegro con brio)は4分の3拍子、「舟歌」をベースにした第1テーマと、クラリネットによる叙情的な第2テーマ(これもいい)が展開される。
ここら辺は、アンサンブルは見事ではあるけれども、一本調子な感もある。
もし、このまま曲が終わってしまえば、別にスヴェトラーノフ盤を聴くこともないだろう(アンセルメやヤルヴィで十分)。
しかし、問題は再び序奏部のテンポ(Andante)に戻ったコーダ。
ここで「ヴォルガの舟歌」のテーマが金管楽器によって高らかに、朗々と吹き鳴らされる。
このトランペットとトロンボーンの響きは、これぞロシア。まさにこの瞬間のために、私はこの録音を聴くのだ。
普通にこの曲を楽しむのであれば以下の録音を。
▲ N・ヤルヴィ指揮/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
1986年録音。
▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
1954年録音。
| 固定リンク
コメント