リムスキー=コルサコフ 「雪娘」組曲
CD
■ N・リムスキー=コルサコフ作曲/オペラ「雪娘」組曲
演奏時間は約12分。とてもコンパクトにまとまった組曲。
1.導入(プロローグ)
2.鳥たちの踊り(プロローグ)
3.行列(第2幕)
4.軽業師の踊り(第3幕)
「導入」は鳥の鳴き声と共に春の訪れを描いた音楽で、そのまま続く「鳥たちの踊り」では管楽器が鳥の鳴き声を描写し、民謡風の楽しい旋律。スコアにはオリジナルのオペラと同じコーラスのパートも入っていて、アンセルメはコーラス入りで録音しています。
荘重でコミカルな雰囲気もある「行列」。終曲の「軽業師の踊り」は単独でも演奏される元気のよい曲。無窮動風の弦楽器の16分音符。
オーケストレーションは相変わらず見事で、1、2曲目の描写はもちろんのこと、「軽業師の踊り」の第2主題の再現部分では、打楽器と弦・管楽器のリズムの頭打ちと裏打ちが途中で入れ替わるという、非常にトリッキーなスコアを書いている。
このページには、冒頭部分について「春の訪れを告げる鶏の声・・・」とあって、『鶏(にわとり)の声』とはオーボエとイングリッシュホルンによる、このパッセージのことだろうか。
確かに、そう言われてみれば、そのように聴こえてくるけれど、「鶏」と「春」というのは、どうも結び付かない(ロシアの鶏は春になると鳴き出すのか?)。
▲ N・ヤルヴィ指揮/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
スケールの大きな豪快なサウンド。特に「軽業師…」はロシアのオケを思わせるような豪快な鳴らしっぷりで爽快です。
▲ M・ユロフスキー指揮/ベルリン放送交響楽団
1996年録音。指揮のミハイル・ユロフスキーは、活躍中の若手指揮者、ウラディーミル・ユロフスキーの父上です。
ロシア的な雰囲気は無いにしても、まとまりがいい、クセの無い演奏はストレートに楽しめる。
▲ G・シュワルツ指揮/シアトル交響楽団
2011年録音。これも丁寧によくまとめられた演奏。
▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
1957年録音。第2曲にコーラス入り。
かなり古い録音だけれども、今聴いても決して聴き劣りすることが無い。
【軽業師の踊り】
終曲「軽業師の踊り」のみの録音。
▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団
1963年録音。安定のフィラデルフィア・サウンド。
【オペラ全曲盤】
▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団
フェドセーエフがモスクワ放送響の音楽監督に就任してすぐ、1975年の録音。
3枚組、演奏時間3時間強の長丁場。
「軽業師の踊り」は『スピード感+重量感』を味わえるパワフルな快演。
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