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ショスタコーヴィチ 交響曲第5番(映像ソフト)

DVD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第5番

 

 【映像】

 映像ソフト(DVD)をいくつか。

 Mravinsky

 ▲ E・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団

 1973年の録画。

 ソビエトで放送されたTV番組だろうか。演奏の前後にドキュメンタリーとインタビューが挿入された3部構成。

 最初に1973年の初来日時の模様が収録されているのだけれど、ステージに指揮者が登場して拍手を受けるところで終了(泣)...肝心のコンサートの映像は残っていないのだろうか。

 しかしながら、新幹線に乗ったり、JR(当時国鉄)の駅を歩くムラヴィンスキー夫妻の姿は、何だか歴史上の人物が現代によみがえったような、不思議な感覚がする。

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 本編演奏後のインタビューでは、聞き手(?)の男性はただ座っているだけで、ムラヴィンスキーが一方的に話す。しかも、不機嫌そうな顔でニコリともせず、足を組み煙草をふかしながら。

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 もしも日本のTV番組で、佐渡某あたりがこんな態度でインタビューを受けようものなら、間違いなくボコボコにされるだろう。

 メインである交響曲の演奏は、聴衆の入っていないホールでの収録。演奏者は正装ではない。

 音は良くないので、純粋に演奏だけを楽しもうとすると物足りないけれども、初演者でもあり、この曲を語るときには外すことの出来ない、ムラヴィンスキーの指揮姿を見ることができるだけでも、このソフトの価値は大きい。


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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1976年、モスクワでのライブ録画。

 ショスタコーヴィチの生誕70周年に行なわれたコンサート。ご本人は前年に亡くなっているので、追悼の意味もあるのだろう。正面にはショスタコーヴィチの写真と花、そして「1906」(ショスタコーヴィチの生まれた年)、「1976」という文字(もうちょっとキレイに作れば、と思ってしまうが・・・)が飾られている。

 指揮者の譜面台にいつもの扇風機は無い。それが原因かは不明だけれど、スヴェトラ氏の髪の毛がボサボサに乱れている。

 しかし、その指揮には何とも言えぬ緊張感が漂い、第1楽章が終わった後、ざわついている客席を振り返って睨み付ける。その後、しばし髪を整えて、指揮棒を上げて構えるのだが、まだ会場がざわついている。すると、そのポーズのまま再び会場をしばらく睨み付け、そして、ようやく第2楽章が始まる。

 ベースの叩き付けるピチカートで始まる第1楽章の展開部や、ハイスピードの第4楽章前半部などは相当にスリリング。統率とパワー(力)を誇示するかのような、いかにもこのコンビらしい魅力のある演奏。ティンパニ(スネギリョフ氏)などは見ているだけで力が入ってしまう。


 Svetla_1997

 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団

 1987年5月25日、東京文化会館でのライブ録画。

 モスクワでの1976年ライブ映像に比べれば画質も音質も(当然)こちらの方がイイ。

 スヴェトラーノフは厳しさの中にも、落ち着きと風格を感じさせる。

 第4楽章コーダへ入る前のとてつもない盛り上げ方は、この指揮者の真骨頂。そのコーダではホルンがベル・アップ。トランペットは息も絶え絶えになり、最後はテンポを変えずにそのまま押し切る。

 奏者では小太鼓やドラを叩く女性打楽器奏者のインパクトが大きい。

 何やら「スパイ大作戦」に登場する『東側』の工作員のようだ(あくまで見た目の印象)。

 フルートのトップは美しい若い女性。キャラの濃い(人相の悪い)団員の中で、まさに「●●●●に鶴」、ここだけは華やかな雰囲気が漂います。


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 ▲ L・バーンスタイン指揮/ロンドン交響楽団

 1966年のライブ録画。

 映像はモノクロ、音はモノラル。映像と音がずれていたり、全く別の箇所の映像が使われていたり(第4楽章冒頭のティンパニとか)、色々あります。

 深読みはせずに、ストレートかつドラマチック、バーンスタイン流に表現した演奏。

 特に第3楽章は、非常に人間くささを感じ、その高揚感(没入ぶり)は半端ではない。

 第4楽章はものすごい勢いで始まる。コーダのテンポも速く、ニ長調に転調した終結部もマーチの様に一気呵成にに突き進む。何かを考える余裕など無く、最後は思いっきりテンポを落とす。

 あくまでバーンスタインを楽しむ映像だと思う。

 あまり映らないけれども、トロンボーンのトップはデニス・ウィック。黒ぶち眼鏡のフルートのトップ奏者は、どことなくショスタコーヴィッチに似ている。


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 ▲ マイケル・ティルソン・トーマス指揮/サンフランシスコ交響楽団

 2007年、ロンドンでのライブ録画(BBCプロミス)。

 いつもの軽いノリの演奏か...と思っていたら全く違っていました。

 シリアスな雰囲気を持った、素晴らしい演奏。フィナーレのコーダは遅めのテンポで、ハッピー・エンドではない、終始重苦しさを感じさせる。

 海外公演(アウェイ)ということもあるのだろうか、楽章間、あるいは、演奏後の表情からも、指揮者の緊張感、気持ちの入れ方が伝わってくる。

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