コープランド 交響曲第3番(バーンスタイン)
CD
■ A・コープランド作曲/交響曲第3番
第1楽章は弦楽器などによるユニゾンのゆったりした動きに金管楽器のハーモニーが重なる。希望を感じる「夜明け」を思わせるようなオープニング。
金管、打楽器が活躍する第2楽章はプロコフィエフ的な匂いもする。
ハイトーンを連発する金管パートは相当にハード(聴く分にはカッコイイけど)。エンディング近くの打楽器のリズムは勇まく、『軍楽』的なイメージもある。
第3楽章は静かに始まるけれども、やがて変拍子も交えた軽快な音楽に。
アタッカで入る第4楽章は、有名な「市民のためのファンファーレ」のテーマが、最初は木管で、やがてオリジナルの様に打楽器と金管楽器でその姿を現す。
主部は陽気な感じだけれども、最後に一瞬だけ不協和音と共に不安な表情を見せる。その後は気を取り直して、ファンファーレの再現による堂々たるニ長調のコーダで曲を閉じる。このコーダにはアンヴィル(かなとこ)も登場する。
第二次世界大戦末期に着手された曲で、初演が1946年。
当時のソビエトの音楽に共通するスタンスを感じるところもあるけれども、悲劇的な要素は無く、ひたすら前向きだ。
「ロデオ」や「アパラチアの春」と同時期の作品。代表作の一つであるのは間違いない。
バーンスタインによる2種類の録音。オケはいずれもニューヨーク・フィル。
▲ L・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック
1966年録音。旧録音盤。
▲ L・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック
1986年録音。新録音盤。
バーンスタインの新旧録音。演奏時間は、いずれの楽章も新録音の方が若干長いけれど、聴いていて『遅い』という印象は無いです。
【旧盤】(10:05/7:55/9:56/13:22) 1966年録音 (SONY)
【新盤】(11:01/8:04/10:20/13:54) 1986年録音 (DG)
個人的には、より引き締まった逞しさを感じさせる旧盤の方が好み。
新盤は重厚な雰囲気があるけれども、期待した第1楽章冒頭とか第3楽章など、意外にアッサリと淡白な感じがする。
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