ヴェルディ アイーダ(パルマ・レッジョ劇場の映像)
BD
■ G・ヴェルディ作曲/オペラ「アイーダ」
パルマ・レッジョ劇場での2012年ライブ録画。日本語字幕付。
ラダメス(エジプトの将校)とアイーダ(女奴隷、実はエチオピア国王の娘)、アムネリス(エジプト国王の娘)の三角関係を柱に、アモナズロ(エチオピア国王、身分を隠して奴隷になっている)が絡む物語。
「アイーダ」というと、第2幕の凱旋の場面(有名な行進曲)のイメージがあまりに強いのだけれども、オペラそのものは上記のような人間ドラマであり、ヴェルディの音楽も実に見事に描き切っている。
ラダメスとアイーダは相思相愛、アムネリスはその仲に嫉妬する。
エジプトとエチオピアは敵国同士。エチオピア軍を破った褒美に、ラダメスはエジプト国王から、娘であるアムネリスと結婚し、将来エジプト国王の座を約束される。
しかし、問題は、このラダメスという男なのだ。
国王の娘と婚約し、将来の地位を約束されているのも関わらず、こっそりとアイーダに会い来る。あまりにも都合がいいし、アイーダだっていい気持ちはしないだろう。
そもそも、アイーダは奴隷(しかも敵国の)なのだから、「祖国を取るか、彼女を取るか」という究極の選択になるはずなのに、それについて悩んでいる様子は見えない。
そして、アイーダから「一緒に国外へ逃げよう」と言われると、それに乗ってしまい、さらには軍の機密も漏らしてしまう軽さ。
彼を後継者に選んだ国王は、人を見る目が無いとしか言いようがない。
それに比べると、虎視眈々と逆襲を狙うエチオピア国王のアモナズロの方がはるかに立派で筋が通っているというものだ。
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