ブラームス(シェーンベルク編) ピアノ四重奏曲(管弦楽版)
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■ ブラームス作曲(シェーンベルク編曲)/ピアノ四重奏曲第1番
シェーンベルクによるオーケストラ編曲版。
▲ S・ラトル指揮/バーミンガム市交響楽団
1984年録音。若かりしラトル(20代)による録音。
柔らかく、暖かいサウンド。シェーンベルクではなく、完全にブラームス寄りの演奏。
「(少なくとも当時の)ブラームスなら絶対にしないだろう」というようなオーケストレーションも多々あるのだけれども(シロフォンや金管楽器のフラッター等々)、そういう部分はかなり丸められていて、特に、前半3楽章などは本当にブラームスが書いたスコアの様にも聴こえる。
▲ S・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2009年のライブ録音。ラトルの新録音盤。
旧録音に比べるとパワフルだし上手い。でも、個人的には旧盤の方が好き。
▲ ドホナーニ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1995年録音。これは完全にブラームス!
この演奏を聴くと、この曲がブラームスの「第5交響曲」という言葉が納得できる。
▲ N・ヤルヴィ指揮/ロンドン交響楽団
1988、89年録音。例によって、ひたすら熱く、大らかにオケを鳴らす。
特に第3楽章の中間部や第4楽章。終楽章のコーダへ入る前のフェルマータの休止は何とも大袈裟だし、エンディングも勢い余って崩壊寸前。
もう、ブラームスもシェーンベルクもない。これはロシア音楽か...。
全盛期のスヴェトラーノフ&ソビエト国立響が録音したらどんなになってたろう、と想像してしまった。
カップリングは「ヘンデルの主題による変奏曲」(作品24)のラッブラ編曲版という珍品。
【映像ソフト】
▲ S・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2004年のヨーロッパ・コンサート。アテネ、ヘロデス・アティクス音楽堂でのライブ録画。
演奏会場はこんな感じ。
言っても野外のコンサートでこの曲を取り上げるのもすごいけれど、ラトルは暗譜で、完全に自分のレパートリーにしている感がある。で、誰がオーケストレーションしようとも、この曲はブラームス。
そして、何と言ってもベルリン・フィルのパワーとテクニック。
特に第4楽章でそれが発揮される。E♭クラリネットのカデンツァ、金管楽器の速い16分音符のパッセージ、最後はどんどん追い立てるも(父ヤルヴィのように)崩壊はしない。
細かいことですが、ラトルの後ろに映っている赤いネクタイの男性の貧乏ゆすりが妙に気になる...
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