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プロコフィエフ バレエ組曲「シンデレラ」

CD

 ■ プロコフィエフ作曲/バレエ組曲「シンデレラ」

 「ロメオとジュリエット」と同様、バレエ音楽から編まれた3つの演奏会用組曲。

  バレエ音楽 作品87
  第1組曲 作品107
  第2組曲 作品108
  第3組曲 作品109

 ストーリー的に悲劇的な要素はないので、明るい楽しさ、抒情性が前面に出ていて、そのためか「ロメオとジュリエット」に比べると、録音の数も演奏頻度も圧倒的に少ない。

 以下は組曲版の録音。

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 ▲ T・クチャル指揮/ウクライナ国立交響楽団

 1994年録音。第1~3、3つの組曲を曲順に全て収録。
 
 なにはともあれ、3つの組曲がすべて聴けるということでは貴重だし、演奏もそれなり。

 全体的にソフトなサウンドが、この音楽の持つ抒情的な雰囲気には合っていると思う。

 ただ、金管楽器が遠慮がちなのでメリハリ、盛り上がりに欠けるし、木管楽器などはもっと繊細さがほしい。


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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

 1986年録音。第1組曲(2曲)、第3組曲(6曲)の抜粋。

 これはとてもいい。指揮者お気に入りの曲を抜粋したのだろうか、抒情的な曲を中心に収め、響きも豊か。「喧嘩」もスピード感がありダイナミック。

 「シンデレラと王子(アダージオ)」「アモローソ」も情感豊かに盛り上がる。

 ヤルヴィの「シンデレラ」を聴くならば、下の組曲盤よりもこちらの方がいい。


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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

 1986年、1990年録音。

 上の1986年録音盤に、新たに録音した曲を加えて、第1、3組曲全曲を収録。どうせなら第2組曲も入れて欲しかった。

 「第1組曲」は雰囲気はとても良いにしても(「序奏」とか)、「マズルカ」「ワルツ」などの舞曲系になると、どうしてもリズム、テンポの不安定さが落ち着かない。意外にキッチリとしたバレエ音楽はお得意でないのかもしれない。

 残響を多くとった録音もモヤモヤとして、今一つまとまりがない。

 「第3組曲」の方はとてもいい。派手さは無いけれども、いずれもプロコフィエフらしい音楽がいっぱいだし、「シンデレラと王子」はアダージオで盛り上がる。そして、最後は「序奏」のテーマを再現した「アモローソ」で静かに曲を閉じる。


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 ▲ Y・テミルカーノフ指揮/サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー管弦楽団

 2009年ライブ録音。第1組曲(6曲)、第2組曲(2曲)、第3組曲(1曲)の抜粋盤。

 もちろんソビエト時代の強靭なサウンドではないけれども、バランスのとれた素晴らしい演奏。特に抒情的な(旋律メインの)曲がいい。

 「シンデレラのワルツ」の雰囲気は抜群だし、続く「真夜中」での(12時を告げる時計の)鐘の音がとても効果的で、続くエンディングの迫力も十分。


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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1961年録音。第1組曲、第2組曲(4曲)の抜粋。第1組曲は全8曲を収録。

 このコンビの「ロメオとジュリエット」がとても素晴らしいので期待は大きいけれども、正直、こちらは今一つ。

 オケの技術的なところも気になってしまうし、アップテンポの部分ももたつく感じがする。

 曲との相性の問題なんだろうか。

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