バーンスタイン 管弦楽のためのディヴェルティメント
CD&DVD
■ L・バーンスタイン作曲/管弦楽のためのディヴェルティメント
▲ P・ヤルヴィ指揮/バーミンガム市交響楽団
1997年録音。バーンスタイン作品を集めたアルバム。今や大活躍のパーヴォ、若かりし日の快演。
ボストン交響楽団の100周年記念として作曲された曲。
8分の7拍子(つまり3拍半)のワルツ、ベートーヴェン「運命」からの引用、ユーフォニウムも登場する「ブルース」、最後の「マーチ」ではピッコロや金管楽器がスタンド・プレイ(CDでは見えないけれど)、等々。
曲そのものが『遊び』なので、個人的にはこのくらいのキッチリとした、マジメな演奏がちょうど良い。バーンスタインのファンには物足りないかもしれないけれど、やり過ぎると『クサく』なってしまう。
パーヴォが今ほど売れていなかった時代の録音だけれども、カップリングの「プレリュード、フーガとリフ」では、S・マイヤー(@クラリネット)、W・マーシャル(@ピアノ)という豪華メンバーを揃えている。
バーンスタインに指導を受けるパーヴォ(1984年撮影)。
▲ L・スラットキン指揮/BBC交響楽団
2000年録音。
イギリスのオケだけれども、いかにもアメリカ的な軽いノリと、華やかさを持った演奏。この曲は、こういう演奏がいい。「ターキー・トロット」も嫌味がないし、「ブルース」も雰囲気が出ている。イチ推し。
▲ バーンスタイン指揮/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
1981年ライブ録音。全体的にちょっと重過ぎて、個人的にはP・ヤルヴィ盤の方が好み。
この曲は1980年の作曲なので、ニューヨーク・フィル時代の録音は無いのが残念(自作については旧録音の方がいいと思う)。
でも「ワルツ」「ブルース」はとてもいい雰囲気。
特に「ワルツ」は単純な弦楽合奏のための曲だけれども、下のJ・ウィリアムズ盤と比べると別の曲のように素晴らしい(J・ウィリアムズの陽気な雰囲気は好きだけど)。
▲ J・ウィリアムズ指揮/ボストン・ポップス・オーケストラ
1985年録音。5曲の抜粋版。
明るく華やかな雰囲気。「ターキー・トロット」なども、いかにもポップス・オケ向きで楽しい。
ただ、「ワルツ」などは大雑把だし、抜粋版ということもあって「『さわり』の紹介(予告編)」といった感じ。
ちなみに、全曲録音盤もあったものの(こちらは廃盤?)、カップリングを変えての再発売時に収録時間の関係で『抜粋版』にされてしまったようです。
【映像】
▲ L・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1984年のライブ録画。
映像版で、しかもオケがウィーン・フィル。そのウィーン・フィルのメンバーがマラカスやコンガやドラム・セットを演奏する姿というのも妙に面白い。
パワフルで勢いのある演奏。「ワルツ」のチェロは優雅。
「ブルース」はあくまでクラシック的な枠内での演奏。残念なのは、ユーフォニアムのソロをトロンボーンで代奏してしていること(スコアではチューバ奏者の持ち替え)。
終曲の「マーチ」ではピッコロ、金管楽器がスタンド・プレイ。思い思いに(嫌々?)立って演奏しているといったバラバラ感が「いかにも」といった感じで面白いし、演奏もアイヴズ的な混沌を感じる。
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