シベリウス 交響曲第7番
CD&DVD
■ J・シベリウス作曲/交響曲第7番
▲ J・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団
1966年録音。
一音一音をかみしめるように、指揮者の想いがぎっしりと詰まった音楽。
やっぱり自分にとっての『定盤』はこれ。
▲ E・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1965年のライブ録音。
冒頭、弦楽器の上向する4分音符からただならぬ気配とエネルギーを感じる。
ビブラートをかけ、朗々と吹奏するトロンボーンのソロ。ホルンの強奏。斬り込むような鋭いアクセント。うねる弦楽器をバックに聳え立つ金管の強靭なサウンド。
エンディングの弦楽器(「H→C」のフレーズ)にはホルンが重ねられ、最後の「C」の音を長く引き伸ばして、バッサリと断つ。
徹頭徹尾ムラヴィンスキー流に解釈され、一分の隙も、曖昧さも無い。確信に満ちた音楽が展開される。
一般的にオススメするものでは全くないけれど、これを聴いてしまうと、他の演奏がどこか物足りなく感じてしまう弊害があるので要注意。
古い国内盤。カップリングはブラームス作曲の「交響曲第4番」。
▲ 渡邉暁雄指揮/ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
1982年1月28日、福岡サンパレスでのライブ録音。 カップリングは「交響曲第4番」。
シベリウスの交響曲は7曲(「クレルヴォ」を加えると8曲)、それぞれに魅力があるけれども、やっぱり第7番は格別だ。
そして、この演奏も別格に素晴らしい。まず、最初のトロンボーンの主題が登場するところで泣けてしまう。
そして、全てが終わった後のコーダの満足感。到達感。充足感。
名演奏!!
ちなみに、私がこの曲を最初に聴いた時のライブ録音がCDになっています。
▲ 渡邉暁雄指揮/東京都交響楽団
1979年3月17日、東京文化会館でのライブ録音。
こちらは自分の中の『思い出の演奏』。
▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ放送交響楽団
1974年録音。これが意外にいい。
同じロシア系のオーケストラ、指揮者であってもムラヴィンスキーのような攻撃性はなく、はるかに大らかな雰囲気がある。
ゆったりとしたテンポは余裕も感じさせる。ただ、金管の鳴りの良さは相変わらずで、トロンボーンも期待通り。
この指揮者は基本『リズム』。冒頭、4分音符で上向する音型の裏でシンコペーションで(つまり『裏拍』で)進行しているコントラバスをハッキリと聞かせている。
不明瞭な演奏が多い中、こういう部分を疎かにしない。
▲ O・ヴァンスカ指揮/ラハティ交響楽団
1997年録音。
スコアに忠実に、かといって変に誇張したりせずに自然に表現した演奏。
ヴァンスカのシベリウス、弱音を極端に強調したり、音楽の流れが作為的に感じることもあるのだけれども、ここではそれを感じない。
とてもいいです。
カップリングは交響曲第6番と「タピオラ」。
▲ P・ベルグルンド指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
1995年録音。
スッキリと透明感のある、瑞々しいサウンドが魅力的な演奏。
高カロリーの演奏を求めると若干の物足りなさも。
カップリングは交響曲第5番。こちらもイイです。
【映像】
▲ L・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1988年、ウィーンでのライブ録画。
トロンボーンのテーマが現れる前の高揚感とか、最後の音を全員でクレッシェンドして長く引き伸ばしたりとか(スコアでは金管はディミヌエンド)、随所にバーンスタインらしい音楽が、指揮者の映像と共に楽しめる。
ただ曲のせいもあってか、作りがシンプルな第1番や第2番に比べると、自分の感情をストレートにぶつけることができないようなところも感じる。
| 固定リンク
コメント