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シベリウス 交響曲第3番

music CD

 ■ J・シベリウス作曲/交響曲第3番

 cd

 Davis_sibelius

 ▲ C・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団

 1992年録音。

 超人気曲の「第2番」と、大傑作と評判の「第4番」の間に挟まれて、立場が弱いと言うか、影が薄い曲ではあるけれども、金管楽器に聴かれる、それまでの民族的な高揚感と、以後の内面へ向かう音楽が共存していて、私はとても好きな曲。

 このデイヴィス盤は落ち着いたテンポで、丁寧に音楽を表現していて、特に第2楽章の情感、沈んだ表情がいい。


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 ▲ J・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団

 1969年録音。

 バルビローリのシベリウス録音は、私にとって永遠のスタンダード。LPで持っていた、豪華箱入りの「交響曲全集」は宝物でした。

 第1楽章は遅めのテンポで進められるけれども、決して音楽が緩むことは無く、透明感のある、硬質なサウンドも、私の中でのシベリウスのイメージにピッタリ。

 ただし、オケは危なっかしい箇所もあります。sweat02


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 ▲ P・ベルグルンド指揮/ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

 1986/7年録音。

 冒頭、低弦によるテーマには細かい表情が付けられていて、フィナーレのテーマも同様なのだけれども、素朴な味わいが削がれてしまっているように感じる。

 以後は柔らかなサウンドがとてもいい。スッキリとした味わいは独特で、第1、2番の延長のような力強さとは方向性が異なる。

 第1楽章のコーダもさり気なく始まり、終結部も(マゼールみたいに)これ見よがしに終わるのではなく、本当にアッサリと、ティンパニも控え目。

 第3楽章のコーダは通常は聴きとりにくい木管のフレーズを前面に出すものの、最後はやっぱりアッサリと終わる。

 この『スッキリ感』に、どこか物足りなさを感じるのも事実。


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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団

 1984年録音。BISの旧録音盤。

 父ヤルヴィ(ネーメ)の名が世間で認知されたのが、BISへの一連のシベリウス録音ではなかったろうか。

 今では『ヤルヴィ』と言えば、息子のパーヴォかもしれないけれども(ネットの検索結果でも「パーヴォ」→「ネーメ」の順)、芸風、レパートリーもほとんど被っておらず、パーヴォの台頭によって父のポジションが脅かされるものではない(少なくともロシア音楽好きにとっては)。

 このシベリウスも、素朴で暖かみのあるオーケストラのサウンド。奇を衒うことのない自然な音楽作りがとてもいい

 特に第1、2楽章は申し分がなく(第2楽章エンディングの表情は素晴らしい)、第3楽章も終結へ向けて加速し高揚していく様はネーメらしいところだと思う。

 第一にオススメできる名演奏。

 カップリングは「クリスチャン2世」組曲。


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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ放送交響楽団

 1973年録音。第1番ほどではないにしろ、この曲の演奏もなかなか面白い。

 第1楽章は金管楽器が前面に出る場面は少ないのだけれども、その数少ないチャンス(?)で十分に自己主張してくれている。

 提示部の第1主題部を締める朗々と歌うホルン、そしてトランペットとトロンボーンの「これでもか!」とばかりのクレッシェンド。再現部でも同様。

 弦楽器は意外に繊細な表情も見せ、この楽章が最高の聴きもの。

 第2楽章は速めのイン・テンポで進み、音楽の密度は濃い。

 第3楽章のコーダでも金管は遠慮なく吹き鳴らすけれども、曲想的にここは持て余し気味の感もある。


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 ▲ O・ヴァンスカ指揮/ラハティ交響楽団

 1997年録音。

 余分な表情が付いていないスッキリとしたシンプルな味わいは、この音楽には合っていると思う。

 冒頭の低弦のテーマは本当に弱音で開始される。どっしりとした力強さを感じさせるカムなどと比べると別物のようだ。

 スコアのダイナミックに忠実に演奏されていて、途中の「ppp」などはほとんど聴こえない。

 第2楽章はゆったりとした感じがする。個人的には好きだけれども、後半になるとだんだんまどろっこしく感じる。

 弦楽器は人数が少ないのか、締めくくりの和音などはもうちょっと何か感じさせるものがあってもいいのではなかろうか。

 カップリングは交響曲第2番。


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 ▲ K・コンドラシン指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

 1977年、モスクワでのライブ録音(拍手付き)。

 サウンドも含めて、かなり独特の味わいを持ったシベリウス。

 第1楽章の出だしは普通だけれども、展開部あたりから、何かに追い立てられるように、前のめりにグイグイ音楽を進めていく。

 さすがに第1楽章のコーダではと思いきや、ここも飛ばして、最後の和音でようやく落ち着いてくれる。

 第2楽章も同じで何だか忙しない。ただ、最後の和音などは、単に譜面通りの音を出している演奏とは違う表情を見せてくれる。

 第3楽章も最後へ向けて、弦楽器の刻みと共にどんどん突き進んでいく。

 コンドラシンのライブ録音としては興味深いけれども、一般的にオススメするものではありません。

 カップリングは交響曲第5番。1973年のライブ録音。

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