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ドヴォルザーク 交響曲第8番

CD&DVD

 ■ A・ドヴォルザーク作曲/交響曲第8番

 昔は「イギリス」という副題が付けられていた交響曲。これはイギリスで出版されたことによるもので、曲の内容とは関係ありません。

 

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 ▲ イヴァン・フィッシャー指揮/ブダペスト祝祭管弦楽団 

 2000年録音。最初の方は落ち着いた雰囲気の演奏のようにも聞こえるけれど...

 曲が進むにつれ、弦楽器のビブラートやポルタメントが強調されて、型にはまらない自由さと共に、クセの強さも感じる。

 さらには、第3楽章のコーダでは金管楽器も弦楽器の真似(?)をして、スコアにはない装飾を加えたりする。

 この『遊び』を面白いと感じるか、やり過ぎと感じるか...微妙なところではあるけれども、少なくとも最初に聴く1枚としては適していないような。


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 ▲ H・V・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 1961年録音のデッカ盤。

 カラヤンまだ50代。ウィーン・フィルを見事にドライブして、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

 第1楽章冒頭の豊かな歌から演奏に引き込まれ、オーケストラ(特に弦楽器)の甘美なサウンド(第3楽章は比類がない)。何気に付けられたポルタメントの味わい。

 もちろん金管やティンパニのダイナミックな力強さもあり、第4楽章のホルンのトリルは期待通り。また、コーダの追い込みからのギア・チェンジも見事に決まっている。

 民族的な素朴さは無いけれど、颯爽としてカッコイイ。

 ケルテス&LSO盤と比べても、役者が一枚上といった感じがする。


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 ▲ B・ワルター指揮/コロンビア交響楽団

 1961年録音。オケ(特に弦楽器)の『音』が気になることもあるけれど...。

 穏やかで暖かく、落ち着いた雰囲気のある、素晴らしい演奏。

 第1楽章冒頭のメロディから、ごくごく自然な『歌』が聞こえてくる。

 しみじみと聴かせる第2楽章。フィナーレはトゥッティになっても、決していきり立つようなことはない(でもホルンのトリルは◎)。例の「こがねむし」の部分ではピッコロを重ねている。

 中でも素晴らしいのが第3楽章。

 速めのテンポで進められる流れの良さが心地よく、スコアの指定にある "grazioso" は、正にこのテンポ感だと思う。しかし、その中に十分な情感を感じさせてくれるのだ。


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 ▲ I・ケルテス指揮/ロンドン交響楽団

 1963年録音。ウィーン・フィルとの「新世界より」のすぐ後の録音。

 なんの衒いも無い、とても素直な、そういう意味で『若さ』を感じる。

 音楽運びは自然で、第3楽章の『歌』もいい。ホルンなどは強奏されるけれども、決して羽目を外すような所が無い。

 ただ、数多くの録音が並ぶ中では、今一つパンチに欠けるようにも。

 VPOとの「新世界より」はオケの魅力が大きかったけれども...。

 カップリングはイスラエル・フィルとの「モルダウ」、「スラヴ舞曲集」から。


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 ▲ C・マッケラス指揮/ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団

 1992年録音。

 スッキリとした明るいサウンド中に繊細な味わいのある演奏。最初のフルートのテーマが何と優しく響くことか。それを受けての弦楽器もいい。

 ちなみに、第4楽章でテーマがチェロで再現したところで「?」となるのだけれども、よく見ると、私が所有している全音版のスコアはそうなっていました。

 ▼提示部

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 ▼再現部

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 ▲ J・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団

 1957年録音。

 録音は古くて音が時々ビリ付いたるするし、オケもそんなに上手くないし、金管がペラペラに聴こえることもあるし...でも、理屈ではないです。

 スマートさなどは皆無。野暮ったくて、不器用だけれども、ひたむきに自分の想いを吐露する。

 この極めて人間臭い、深い情感が感じられる音楽(『歌』)には、抗えない魅力を感じる。

 カップリングは「交響曲第7番」「交響曲第9番」「スケルツォ・カプリチオーソ」「伝説曲」。


 【映像】

 以下は映像ソフト。

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 ▲ Z・メータ指揮/ロサンゼルス・フィルハーモニック

 1977年のライブ録画。

 私にとって、メータと言えばロス・フィル(ロス・フィルと言えばメータ)。そのコンビのライブ映像が観られるのは嬉しい。

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 まだ、40歳の若々しいメータ。奇を衒ったところが無い指揮ぶり。暖かかく大らかな音楽。その中に熱さもある。

 その他、ファゴット協奏曲(モーツァルト)、オーケストラのための協奏曲(バルトーク)、「謝肉祭」序曲(ドヴォルザーク)、スラヴ舞曲第8番(ドヴォルザーク)。


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 ▲ H・V・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 1985年録画。

 片隅に聴衆が映ることがあり、コンサートでのライブ映像をベースにしていると思われるけれども、所々にいかにも不自然で『あり得ない』映像が所々に挟み込まれる。

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 木管セクションが映る時はいつもこんな感じで、この姿勢で全員微動だにせず楽器を演奏する。

 カラヤンは80歳間近、晩年の映像。

 中間2楽章が断然素晴らしい。特に第2楽章の深い情感、最後に第2主題が再現される部分は、これ以上ない位に美しい。

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