イッポリトフ=イワノフ 組曲「コーカサスの風景」
CD
■ M・イッポリトフ=イワノフ作曲/組曲「コーカサスの風景」
▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
1961年録音。
1.峡谷にて
2.村にて
3.モスクにて
4.酋長の行列
演奏時間20分以上。これだけの時間があれば、ハイドンやモーツァルトの交響曲でも聴いた方が、よほど有意義な時間を過ごせる...などと考えるのは、時間に追われる現代に生活しているからだろうか。
のどかなホルンのシグナルに始まり、小川のせせらぎを表わす弦楽器。中間部のイングリッシュホルン。何も起きる気配が無い、のどかな時間がゆったりと流れる。
その時間の中で、美しいメロディに浸ることができれば、この曲を楽しめるのではなかろうか。
第2楽章の鄙びたヴィオラとイングリッシュホルン。中間部はドラムのリズムと軽快な舞曲。
第3楽章は木管とホルンによるアンサンブル。ここで使われているのは、「悲愴交響曲」第2楽章中間部と同じメロディ(民謡?)だろうか。
第4楽章は単独でも演奏される有名な曲。ピッコロとファゴットの異国風メロディは、最後にトランペットなどで朗々と吹き鳴らされる。
演奏はこのロジェストヴェンスキー盤が一番。
モスクワ放送響のような泥臭さは少ないけれど、ローカルな雰囲気もありつつ、終曲の躍動感、そして、最後は期待通りに鳴らし、盛り上げてくれる。
カップリングはストコフスキー編曲版の「展覧会の絵」と、スクリャービンの「プロメテウス」。
▲ F・グルシチェンコ指揮/BBCフィルハーモニー
1993年録音。
1曲目「峡谷から」。大らかで伸びやかな音楽が展開する。この楽章だけで演奏時間10分もかかるのだけれども、意外に長さを感じさせない。全く感覚の違う時間が流れているようだ。
2曲目「村にて」の中間部のリズムを刻むのは民俗楽器だろうか?
落ち着いた運びの「酋長の行列」まで、明るめの色調はロシア的な土臭さを感じさせず、イギリスかアメリカのライト・ミュージックのようでもある。
カップリングはハチャトゥリアン作曲の「交響曲第3番」と「勝利の詩」。
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