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ハチャトゥリアン 組曲「仮面舞踏会」

CD

 ■ A・ハチャトゥリアン作曲/組曲「仮面舞踏会」

 劇付随音楽による組曲。

  1.ワルツ
  2.ノクターン
  3.マズルカ
  4.ロマンス
  5.ギャロップ

 浅田真央のフィギュアスケートでも使われた1曲目のワルツが圧倒的に有名。

 

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 ▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 1989年、日本のスタッフがモスクワで録音したもの。「マズルカ」「ギャロップ」に一部カット有。

 この曲については、このフェドセーエフ盤が最高。

 指揮者もオケも荒々しさが残っていた時代。特にどっしりと重量感のある「ワルツ」(浅田真央のフィギュアで有名になった曲)は、これぞ「ロシアン・ワルツ」。打楽器セクションのプレイも素晴らしい。

 終曲「ギャロップ」は彼がアンコールとしてもよく取り上げる曲で、一気呵成に爆走、途中の妙な変拍子をカットしているのも流れを止めないためだろう。スローなナンバーは彼らしく丁寧に演奏されているし、「マズルカ」の中間部のテンポの落とし方も洒落ている。

 ちなみに、カップリングのバレエ音楽「スパルタクス」からの「アダージオ」のクライマックスでは、バランスなど全く考えずに、ひたすら自分のパートをデカイ音で演奏する()という、今は懐かしい阿鼻叫喚を聴くことができる。


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 ▲ A・ハチャトゥリアン指揮/モスクワ放送交響楽団

 1969年録音。

 演奏はフェドセーエフ以上にロシア的な雰囲気の濃いサウンドで、ビブラートを掛けた「ロマンス」のトランペット・ソロもいい。もちろんカットも無し。素晴らしい演奏。

 また、これが作曲者自身の指揮と考えると色々と面白く、例えば「ワルツ」の途中にある「poco rit.(ちょっとrit.)」も、かなり大きく掛けていて、私の感覚だと「molto rit.(沢山rit.)」に近い。

 さらに、楽譜には指示が無い微妙な間(ま)や、テンポの変化などもあって、他の人の指揮ならば、「スコアの指定と違うじゃないか!」と問い詰めることもできるけれど、やっているのが本人なのでそれはできない。


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 ▲ K・コンドラシン指揮/RCAビクター交響楽団

 1958年録音。オーケストラは録音のための臨時編成オケだろうか。であっても、全く不満はなく、コンドラシンの棒に応えて素晴らしい演奏を聴かせてくれている。

 コンドラシンらしい表情も見せるけれども、決して浮ついたところが無い堂々と落ち着いた音楽。古い録音ではあるけれども、一般的には一番にオススメできる演奏。


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 ▲ N・ヤルヴィ指揮/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

 1987年録音。豊かに、豪快にオケを鳴らしつつ、前へ前へと進む前進力と流れの良い演奏。さすが、こういう曲は面白く聴かせてくれる。


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 ▲ S・ブラック指揮/ロンドン交響楽団

 1977年録音。映画音楽などの録音で知られるスタンリー・ブラックだけれども、なかなか堂に入った演奏。特にテンポの速い曲がいい。明るく楽しく。


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 ▲ L・チェクナヴォリアン指揮/アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団

 1991年録音。一時期、ハチャトゥリアン作品を続けて録音していたコンビ。

 意外に土臭さはない。悪くはないけれども、作曲者自身や大御所の演奏に比べると小粒感は免れない。


 【抜粋盤】

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 ▲ H・ケーゲル指揮/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団

 「ワルツ」と「ギャロップ」(つまり、最初と最後)の2曲を収録。

 しかし、この「ワルツ」がとんでもないことになっている。

 ロシアン・ワルツの情緒、哀愁などは微塵も無い。

 ガチガチのサウンド。冒頭から速いテンポを緩めることなく、むしろ加速するくらいの勢い。打ち鳴らされるシンバルと共に、目を血走らせ、えらい形相でこちらへ迫ってくるのだ。

 「名曲アルバムII」というアルバムに収録。

 様々な指揮者による『名曲』が収録されていて、ケーゲル指揮のものは、上記の他に「精霊たちの踊り」(グルック作曲)、「歌の翼に」(メンデルスゾーン作曲)、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」(モーツァルト作曲)。


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 ▲ Y・シモノフ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

 1994年録音。「ロマンス」「夜曲」「ワルツ」の3曲。

 「ワルツ」が最高に素晴らしい。グイグイ前へ進む速めのテンポに、ブリブリと吹く低音、爆発する打楽器。


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 ▲ P・ヤルヴィ指揮/フランス放送フィルハーモニー管弦楽団

 2002、2003年録音。「ワルツ」のみ。息子ヤルヴィによる演奏。

 丁寧にまとめられているけれども、この手の曲については、やっぱり父(ネーメ)の方がいい。

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