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グリエール バレエ音楽「赤いけしの花」

CD

 ■ R・グリエール作曲/バレエ音楽「赤いけしの花」から

 中では「ロシア(ソビエト)水兵の踊り」が断トツに有名で、単独で演奏(録音)されるケースも多いです。

 【組曲盤】

 Gliere_1_2

 ▲ E・ダウンズ指揮/BBCフィルハーモニック

 1992年録音。

 色彩感のある西欧風な演奏。ソフトな感触。この曲を楽しむには十分。

 組曲版は以下の7曲で、演奏時間は約25分。

  1.苦力(クーリー)の勝利の踊り
  2.タオ・ホアの情景と黄金の指の踊り
   a 情景
   b 踊り
  3.中国人女性の踊り
  4.フェニックス(不死鳥)
  5.ワルツ
  6.ロシア水兵の踊り

 中国を舞台にしたバレエで、中国娘タン・ホアとソビエト船長の恋愛モノ。音楽は、いかにも社会主義的。オリエンタルな中国風や、ロマンチックなアダージオ(こちらはグラズノフ風)。

 最後の「ロシア水兵…」はやっぱり面白い。ロシアのメロディが繰り返され、エンディングへ向けてテンポアップ、民族舞曲風に大いに盛り上がる。この曲だけがよく演奏されるというのも理解できる。

 華やかで力強い1曲目も、変化に富んだ曲想が楽しめる(これも中華風)。

 ただ、さすがに全曲盤までは手が...

 カップリングは「交響曲第1番」。


 Fistoulari

 ▲ A・フィストラーリ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

 1956年録音。さすが、バレエ音楽を得意としているだけあって、とてもいい。

 明るく、オリエンタルな雰囲気。曲想のコントラスト。

 最後の「ロシア水兵…」も心地良いテンポ感があり、単体での録音も含めて、これが一番かも。

 「コーカサスの風景」とカップリングの廉価盤。両曲とも他に録音が少なく、演奏内容も考えると、ロシア音楽ファンにはお買い得の一枚。


 【バレエ抜粋盤】

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 ユーリ・ファイエル(Yuri Fayer)指揮/ボリショイ劇場管弦楽団

 1963年録音。

 収録曲は下記の通りで、組曲版とは若干異なっている(LPで出ていたバレエ抜粋盤からさらに抜粋したもの)。

  1.クーリー(苦力)の勝利の踊り
  2.タオ・ホアの入場と扇の踊り
  3.情景と黄金の指の踊り
  4.ソビエト水兵の踊り
  5.フェニックス~アレグロとロマンス
  6.全員の踊りとフィナーレ「赤い船」

 指揮のファイエルはこのバレエの初演者で、調べてみると、同じグリエール作曲の「青銅の騎士」や、プロコフィエフ作曲の「ロメオとジュリエット」、「シンデレラ」、「石の花」の初演も振っているという、ソビエトバレエ界の重鎮とも言えるような方。

 そういう意味でも貴重な録音だけれど、聴きものは何と言っても「3」の前半部(情景)。

 ここでの朗々たるトランペットは、今となっては聴くことができない昔懐かしいロシアン・サウンド全開。ここを聴くだけでも、この録音の価値は十分にある。

 また、フィナーレ(組曲版には無い)は、「いかにも」といった感じの『ソビエト色』が強い音楽。

 カップリングはクニッペル作曲の「コムソモール戦士の詩」で、これも貴重(指揮はドゥダロヴァ女史)。

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